210607_2020年中央決算に関する報告(日本語試訳)

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2020年中央決算に関する報告

2021年6月7日第13回全国人民代表大会常務委員会第29回会議

財政部部長劉昆

委員長、各副委員長、秘書長、各委員

国務院の委託を受けて、全国人民代表大会常務委員会に2020年の中央決算報告書と中央決算草案を提出する。審議されたい。

一、2020年中央財政収支決算状況

2020年、突然発生した新型コロナウイルス、世界経済の深刻な衰退等の多重的な衝撃に直面し、習近平同志を核心とする党中央委員会の強固な指導の下、各地区の各部門は習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想を指導として、党の第十九大会と第十九期の二中、三中、四中、五中全会の精神を全面的に貫徹し、「四つの意識」を増強し、「四つの自信」を固め、「二つの維持」をやり遂げる。党中央委員会、国務院の政策決定の配置に基づき、第十三回全国人民代表大会の第三回会議の審査承認の予算を厳格に執行し、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済的な社会の発展を統括して推進し、コロナの感染拡大防止は重大な戦略成果をあげ、世界の主要経済体制の中で唯一経済がプラス成長しており、貧困脱却の堅塁攻略戦は全面的に勝利し、小康社会を全面的に建設して決定的な成果を収めた。これに基づき、財政改革発展の各項目の業務は新たな進展を遂げ、中央決算の状況は全体的に良好である。予算法の関連規定に基づき、以下の状況を重点的に報告する。

(一)2020年中央の一般公共予算収支決算状況。

コロナの影響を受けて、中央の一般公共予算の収入は第一四半期に大幅に減少した。2009年以来初めてマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大防止の状況が改善し、経済が徐々に回復し、財政運行状況は四半期ごとに良くなった。税務、税関等部門の共同努力のもとで、中央の一般公共予算の収入は8,2770.2億元で、予算の100%となり、7.3%減少となっている。中央予算安定調整基金、中央政府性基金予算、中央国有資本経営予算8,880億元の繰り入れを加えると、収入総額は91,650.72億元になる。中央の一般公共予算支出は118,313.5億元で、予算の99%を達成し、8.1%増加となっている。加えて、中央予算安定調整基金の補充1,137.22億元、支出総額は119,450.72億元である。収支総額は相殺され、中央財政赤字の27,800億元は予算と均衡する。

第十三回全国人民代表大会の第四回会議に報告書の執行数に比べ、中央の一般公共予算収入は0.36億元減少となっているが、これは主に国庫報告整理期間中に少額の税外収入を返還したことによるものである。中央の一般公共予算支出は97.37億元減少し、これは主に再生可能エネルギー価格の付加価値税還付や地方負担資金等の実際の決算項目の地方解約額が増加し、中央から地方への移転支払い金額との相殺によるものである。以上の収入の減少額と支出の減少額は合計97.01億元で、上記中央予算安定調整基金の補充1,137.22億元に含まれている。

収入決算の具体的な状況から見ると、租税収入は79,644.23億元で、予算の99.8%となり、1.7%減少となっているが、これは主に輸出税の還付額が増加したこと等によるものである。税外収入は3,126.49億元で、予算の104.2%となり、62.3%減少となっている。租税収入のうち、国内増値税は28,353.14億元で、予算の98.8%となり、主に新型コロナウイルスの影響を受けた工業とサービス業からの増値税の収入が予想以上に減少したことに加え、増値税の税率の引き下げ等の政策によって形成された追い風の減少によるものである。国内の消費税は12,028.1億元で、予算の96.1%となるが、これは主に石油製品の販売量が予想を下回ったことによるものである。輸入貨物の増値税、消費税と関税の合計は17,099.75億元で、予算の106.5%となる。これは主に外国貿易の回復が速く、輸入量が予想以上になったことによるものである。企業所得税は23,257.53億元で、予算の98.3%となる。これは主に新型コロナウイルスが上半期に工業企業の利益に大きな影響を与えたことによるものである。個人所得税は6,940.99億元で、予算の109.3%となる。これは主に住民の収入は経済の安定回復とともに増加し、株式譲渡等の財産的収入が増加したことによるものである。車両購入税は3,530.88億元で、予算の116.9%となる。これは主に自動車販売量の回復が予想以上になったことによるものである。輸出貨物の付加価値税還付、消費税は13,628.98億元で、予算の112.3%となる。これは主に輸出が予想より良く、そして、輸出税の還付の進行を加速したことによるものである。

支出決算の具体的な状況から見ると、中央本級支出は35,095.57億元で、予算の100.2%を達成し、0.1%減少となっている。中央から地方への移転支払は83,217.93億元を支出し、予算の99.2%を完成し、11.9%伸びた。中央本級支出のうち、一般公共サービス支出は1,735.21億元で、予算の100.8%を達成した。外交支出は514.07億元で、予算の94.7%を達成した。これは主に国際組織資本金等の支出は減少したことによるものである。国防支出は12,679.92億元で、予算の100%を達成した。公共安全支出は1,835.91億元で、予算の100.2%を達成した。教育支出は1,673.64億元で、予算の98.5%を達成した。科学技術支出は3,216.48億元で、予算の100.6%を達成した。食糧・油物資備蓄支出は1,224.57億元で、予算の100.7%を達成した。債務利息支払は5,538.95億元で、予算の102.6%を達成した。これは主に金利の変動等により、国内債券の支払利息が増加したことによるものである。中央から地方への移転支払の具体的な状況は、一般的な移転支払は69,459.86億元で、予算の99.1%を達成した。そのうち、共通財政の権益の移転支払は32,180.72億元で、予算の98.7%を達成した。特定移転支払は7,765.92億元で、予算の100.1%を達成した。特別な移転支払は5,992.15億元で、予算の99%を達成した。

2020年、中央予備費の予算は500億元で、実際の支出は146.41億元である。主に洪水災害後の復興等に使われ、残りは353.59億元を中央予算安定調整基金に全額入金した。

2020年、中央一般公共予算支出の余剰は1,136.5億元(中央予備費の余剰353.59億元を含む)に、0.72億元の徴収超過分を加えた合計1,137.22億元が、全額中央予算安定調整基金の補充に使われた。2020年初頭の中央予算安定調整基金は30.46億元で、上記追加の1,137.22億元と、規定に基づき中央政府性基金の振替資金で補充した60.64億元を合わると、2020年末の中央予算安定調整基金の残高は1,228.32億元であり、2021年一般公共予算950億元を繰り入れた後の残高は278.32億元となった。

2020年には、中央一般公共予算は、前年度の繰越資金による支出の2,703.41億元を使用しており、中央本級は1,545.08億元を使用し、中央から地方への移転支払は1,158.33億元を使用している。中央予算運転資金の規模は変化がなく、2020年末の残高は354.03億元である。これは主に予算年度内の季節収支の差額を調整するために使われたことによるものである。

2020年、中央本級の「三公」経費財政支出の合計は29.86億元(基本支出とプロジェクトの支出の手配を含む経費)で、予算より25.31億元減少したが、これは主に中央部門の緊縮運営という要請を実行し、節約を厳正に行い、「三公」経費支出を厳しく管理、圧縮したこと、また、客観的な要素の影響を受けるため、海外への出国(海外派遣)や海外での接待等の任務が一部実施されなかったことにより、公用車や公務接待にかかる支出が減少したことによるものである。そのうち、公務出国費は2.99億元で、3.79億元減少した。公用車の購入と運行費は25.95億元で、19.84億元減少した。公務接待費は0.92億元で、1.68億元減少した。

2020年、中央予算内の投資支出は5,999.8億元であり、そのうち、中央本級支出は929.8億元であり、地方への移転支払は5,070億元である。投資構造の調整と最適化を行い、地方の建設プロジェクトを重点的に保障する。主に公共衛生等の方面で新型コロナウイルスへの対応の欠点についての補足、重大なインフラの建設、保障性安住プロジェクト、「三農」、イノベーション主導と構造調整、「一帯一路」の構築と地域の調和発展、社会事業と社会管理、省エネ・環境保護と生態構築等の面で使われる。

2020年、中央財政は71,782.75億元の国債を発行した。そのうち、内債は70,907.87億元で、外債は874.88億元である。資金調達は満期国債の返済に使うほか、その残りを中央財政が統括して使用する。国債の元本返済額は30,868.18億元で、そのうち、内債は30,649.69億元で、外債は218.49億元である。年末の債務残高は208,905.87億元で、内債残高の206,290.31億元と外債残高の2,615.56億元を含め、全国人民代表大会に承認された213,008.35億元の国債残高限度額内に収まっている。

(二)2020年中央政府性基金予算収支決算状況。

中央政府性基金の予算収入は3,561.62億元であり、予算の98.6%となる。新型コロナウイルス対策特別国債の収入10,000億元と2019年の繰越収入181.55億元を加え、収入総額は13,743.17億元となる。中央政府性基金の予算支出は10,439.87億元で、予算の96.8%を達成した。そのうち、中央本級支出は2,714.62億元で、地方への移転支払は7,725.25億元である。一般公共予算への繰り入れは3,002.5億万元で、そのうち、新型コロナウイルス対策特別国債に3,000億元を繰り入れ、新疆生産建設兵団の政府性基金に2.5億元を繰り入れる。中央政府性基金の予算収入は支出より300.8億元超えている。その中で、来年の繰越として240.16億元を使用する。単項政府性基金の繰越金額は当年度収入30%部分の合計を60.64億元を超えた。規定に基づき、中央予算安定調整基金の補充となる。中央政府性基金の収入決算数値は執行数値より0.04億元増加した。これは主に決算整理期間内の民間航空発展基金、港湾の建設費等の収入が増加したものである。支出の決算数値は執行数値と同じである。

(三)2020年中央国有資本経営予算収支決算状況。

中央国有資本経営予算の収入は1,785.61億元であり、予算の105.6%となる。2019年の繰越収入144.09億元を加え、総収入は1,929.7億元である。中央国有資本経営予算の支出は939.06億元であり、予算の74.6%を達成した。それは主に一部の中央企業の国有資本経営予算の執行が予想を下回ったことによるものである。そのうち、中央本級支出は873.69億元で、地方への移転支払は65.37億元である。一般公共予算に577.5億元を繰り入れる。翌年への繰越は413.14億元である。中央国有資本経営収入決算数値、支出決算数値はいずれも執行数値と同じである。

(四)2020年中央社会保険基金予算収支決算状況。

中央社会保険基金の収入は708.07億元で、予算の51.1%となる。そのうち、保険料収入は360.59億元で、財政補助金は332.97億元である。地方から納付された基本養老保険中央調整基金の収入7,379.55億元と全国社会保障基金から繰り入れた特定資金500億元を加え、収入総額は8,587.62億元である。中央社会保険基金の支出は707.13億元であり、予算の50.2%を達成した。地方への基本養老保険中央調整基金の支出7,370.05億元と一部の地方企業従業員基本養老保険基金の不足分を補うための特定資金500億元を加え、支出総額は8,577.18億元となる。当年の収支余剰は10.44億元で、年末繰越余剰は377.4億元である。中央社会保険基金の収支予算執行率は比較的低い。これは主に改革の進捗状況に基づき、中央組織が機関・事業組織の養老保険制度改革実施準備期間の清算作業が2021年をもって完了する見通しであることによる。執行数値に比べ、中央社会保険基金の収入決算数値は3.24億元増加し、支出決算数値は1.29億元減少した。これは主に中央組織が社会保険基金の予算を編成する時期が比較的早く、実際に実行する際に一定の違いが存在する。

予算法と国務院の関連規定に基づき、2020年に中央財政の一部収支事項に対して権利責任発生計算を実行した。これには、当年度に支払うように予算が組まれている給与や社会保障基金、国庫による集中支払の年末余剰、国務院が承認したその他の特別事項等が含まれている。その内容は、全国人民代表大会常務委員会に具体的に報告された。 財務省は、予算執行時に上記の資金の管理を強化し、適時な支出を行い、できるだけ早く資金を有効に活用する。

2020年の中央の一般公共予算、政府性基金予算、国有資本経営予算、社会保険基金予算の予算数値、決算数値及びその対比分析は、中央決算草案を参照されたい。この草案は、党中央委員会と国務院に報告して承認を得ており、全国人民代表大会常務委員会に提出して審査を受ける前に、監査院の監査を受け、監査のコメントに従って適宜調整された。

二、積極的な財政政策を全面的に実施し、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済社会の発展を力強く保障する。

2020年に、私達は党中央委員会、国務院の政策配置を断固として貫徹し、全国人民代表大会の決議要求と批准の予算に基づき、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済的な社会の発展を統括して推進し、「六安定」の業務を着実に行い、「六保」の任務を全面的に実行し、積極的な財政政策がより積極的になることを堅持し、経済運行を徐々に常態に回復することと民生の持続的な改善することを推進する。

(一)政策のヘッジを拡大し、経済の持続かつ安定的に回復することを促進する。複数の選択肢で資金を調達し、支出を増やす。特別な時期に特殊な措置を講じ、赤字規模は1兆元増加させ、赤字率を3.7%に引き上げ、1兆元の新型コロナウイルス対策特別国債を発行する。これは主に住民の就業を保障し、基本的な生活を保障し、市場主体を保障し、減税費用軽減を支援し、家賃や金利の引き下げ、消費や投資等の拡大を支援するために使う。繰越金の活性化と活用に向けた取り組みを強化し、財政収入減少と支出増加による不足分を補うため、利用可能な財源の増加に努める。段階的な大規模減税や費用軽減を実施する。段階的措置と制度的なアレンジを組み合わせ、市場主体の緊急需要をめぐり、7種28項目の減税費用軽減政策を導入し、中小・零細企業、自営業者、困難な産業の企業に対する支援を強化する。通年で市場主体の負担減少は2.6兆元を超え、そのうち、社会保険料を1.7兆元減免した。これにより、何億人もの市場主体を維持し、企業が難関を乗り越えるための幇助に重要な役割を果たしてきた。地方政府の特定債券をうまく利用して、有効な投資を拡大する。新設された特定債券の追加額は3.75兆元で、前年度より1.6兆元増加した。「資金はプロジェクトに従って歩く」という原則を堅持し、適切に使用範囲を広げ、特定債券資金をプロジェクトの資本として用いる割合を高め、社会資本の投入を増大させる。

(二)生命至上を堅持し、新型コロナウイルス感染拡大防止に対して全力で支援する。新型コロナウイルス感染拡大防止の経費を優先的に保障する。新型コロナウイルスの感染拡大防止が最も重要で、最も緊迫している課題とし、国民が費用を恐れて医療を受けることを躊躇することがないよう、また、医療や新型コロナウイルス感染拡大防止がいたるところで資金問題の影響を受けることがないよう、緊急時緊急処理の原則に基づき、資金の配分と使用を速める。資金の配分と使用の監督管理を強化し、各級の財政が新型コロナウイルス感染拡大防止の資金を4,000億元以上投入し、関連業務の展開に堅実な保障を提供した。新型コロナウイルスに対応するための財政・税制支援政策を強化する。患者治療費の負担の軽减、新型コロナウイルスの予防と治療の担当者の待遇を高め、医療新型コロナウイルス対策物資の供給の保障、科学研究開発、特に医薬品やワクチンの研究開発等の方面をめぐり、一連の的を絞った財政・税制政策が導入・実施した。財政金融政策の協調を強化し、新型コロナウイルスの感染拡大防止の要となる企業への特別借換融資の金利を50%補填し、6,600社以上の企業の優遇融資を支援した。同時に、新型コロナウイルスの予防・抑制・治療システムと緊急物資保障システムの構築を強力に支援し、公共衛生上の重大な緊急事態への対応能力と緊急物資の生産・動員能力を強化した。

(三)精確に集束して力を出し、三大堅塁攻略戦を推進して決定的な成果を収める。期限通りに貧困との堅塁攻略戦に勝利するための支援を行う。残された貧困県と貧困層に焦点を当て、「食と薬は必要だ」ということを徹底し、年初には残りの551万人の農村貧困層が貧困から脱却し、年内には52の貧困県が貧困から脱却することを支援する。中央財政特定貧困削減資金は5年連続で200億元増加し、1,461億元に達した。新型コロナウイルスの影響をより強く受ける地域、監督に指定された地域に傾斜させ、同時に総合的な財政力補助資金を一度に300億元増やし、地域の貧困削減の欠点について補足することを支援する。貧困県における農業関連資金の統合を徹底的に推進し、年間を通じて2,985億元の資金を統合する。貧困削減プロジェクトの資金の全過程のパフォーマンス管理を強化し、部門の協同、上下の連携による資金の監督管理メカニズムを健全化する。生態環境の明確な品質改善を推進し、青い空、きれいな水、汚染のない土地の防衛戦を支援する。黄河の全流域を誘導して、生態補償機構の構築を横展開し、黄河沿いの省や地域が協力して保護とガバナンスを強化するように推進する。国家グリーン発展基金の上場運営を推進し、長江経済帯沿線の省・市が行う環境保護、エネルギー資源の節約利用等の展開を支援する。山、水、森、田、湖、草などの生態系の保護と回復のプロジェクトの試行を深く推進し、生態系の品質と安定性を向上させる。重大なリスクの予防と解決に向けて積極的な効果を収める。債務の常態化監視メカニズムを完全なものにし、政策の協力を強化し、共同監督管理を実施し、地方政府の隠れた債務リスクを緩和させる。新設された地方政府特定債券額から2,000億元を中小銀行の資本補充にあて、中小銀行のリスクの解消を支援し、地方に対して処理過程での全面的な資産調査、厳しく責任を追及するよう指導し、地方政府の所属責任と金融機関の主体責任を厳格に実行するように促す。

(四)イノベーションを強化してリードし、真の経済発展の基盤を固める。科学技術のイノベーションを大いに支援する。国家の戦略的な要求に焦点を合わせ、財政資金管理メカニズムを最適化し、重要な核心技術の難関を乗り越えるために保障することに力を入れる。科学研究院の改革発展を推進し、企業が中央財政科学技術計画(特定項目、基金等)の研究任務を負担することを支援し、企業が研究開発への投資を増やすように導く。製造業の高品質な発展を推進する。財政資金を活用して、資本、資源を戦略の重要分野に向けて焦点を合わせるように導く役割を果たす。特定資金を統合して設立し、産業基礎能力と産業チェーンレベルの向上を支援する。新エネルギー車の購入補助金を延長し、車両購入税を免除する政策は2022年末までとする。農業供給側の構造改革の深化を支援する。「食糧を土地に蓄え、食糧を技術に蓄える」戦略を実行し、高基準の農地を8,000万ムー新設することを支援し、東北の黒地保護性の耕作を4,000万ムー実施し、末端の農業技術普及システムの構築を強化し、食糧を生産する県の奨励を増やし、農業機の購入補助政策を完全なものにし、国家の食糧安全を保障する。新型農業経営主体の育成を支援し、農業生産の社会化サービスを推進する。地方の優位性と特色のある農産物保険に対して、賞を与えて試行範囲を20の省に拡大し、新たに31の国家現代農業産業園、50の優位性と特色のある産業群、259の農業産業強鎮を構築することを支援する。

(五)国民生活の底入れを強調し、雇用の安定と国民生活を守ることを優先する。住民の就業を保障するため、力を入れる。就業に関する資金保障をする選択肢を広げ、就業起業扶助政策の実施を支援する。失業保険の地位安定による返還と起業担保融資の利息補填政策を強化し、企業の安定と雇用の維持に助力する。年間608万社の企業に失業保険の地位安定による返還1,042億元を分配し、1.56億人の労働者に恩恵を与えた。教育の公平な発展と質の向上を推進する。全国義務教育生徒の公共経費基準の定額を統一し、中西部地区の基準を高めて東部地区と一致させる。義務教育の脆弱な部分を深く実施し、改善と能力向上の業務を行い、基本的に都市部の「大班額(都市部への人口流入による都市部学級の人員が増加する現象)」を除去し、農村部の小規模学校と郷鎮寄宿制学校の欠点について補足する。普遍的な就学前教育保障メカニズムを合理的に完全なものにし、職業教育の質の高い発展を促進し、中西部高校への支援力を高める。衛生と健康への投入を強化する。公共衛生システムの構築に力を入れ、疾病予防と制御システムの改革を深化させる。住民医療保険、基本公共衛生サービス経費の一人当たりの財政補助基準はそれぞれ一人当たりの年間550元、74元に引き上げられた。外来診療費の直接決済を各省で試験的に実施し、医薬品や高額医療消耗品の集中調達政策を完全なものにする。社会保障の水準を高める。退職者基本年金を5%程度の幅で調整し、都市農村住民基礎年金の最低基準を93元に引き上げる。企業従業員基本養老保険基金の中央調整比率はさらに4%に引き上げられ、22の中西部と旧工業基地省の純利益は1,768.45億元である。国家社会保障基金は、慎重かつ堅実に投資・運営され、基金の規模も着実に拡大してきた。各地で着工し、都市の古い団地を改造することを支援する。優遇扶助対象者等の人員扶助と生活補助の基準は10%引き上げられた。困窮している大衆のの基本生活を保障する。年間で新たに発生した新型コロナウイルスの影響を受けて、最低生活保障に加入し、特に困難な生活支援の対象となった600万人以上であり、新型コロナウイルスのために困窮している人を一時的に救済したのは900万人を超えた。

三、財政・税制の改革を加速し、引き続き財政管理水準を向上させる。

2020年に、私たちは全国人民代表大会の関連方面と監査署の提案を結合し、財政・税制の改革と財政管理を統括して推進し、予算管理の諸制度の集積と協同化・効率化を強化し、財政活動の科学化・規範化・法治化の水準を向上させるよう努力する。

(一)革新的に財政資金が直接到達するメカニズムを実施する。「中央ぶつ切り、省級細分化、備案同意、快速直接到達」の原則に基づき、資金の配分、割当、使用を加速する。わずか20日間で、中央の直接到達資金の90%以上が市や県の末端まで実施され、例年に比べ使用進捗が著しく加速している。中央備案審査段階を通じて、中央の規制の要件を満たし、緊急に支援を必要とする分野に資金が使われることを保証している。受益の対象となる実名台帳を作成することで、資金の流れが明確で、帳簿を有し、調査を可能とし、、資金を正確に企業に恩恵を与え、国民を利することを促進する。地方へ下達した1.7兆元の直接到達資金のうち、規定によって繰越すことができる新型コロナウイルス対策特別国債の資金を除いて、1.56兆元の支出となり、36万余りのプロジェクトに及んだ。資金を厳格に監督管理し、中央、省、市、県を結ぶ各級財政の監視システムを開発し、各資金の源から末端までの全チェーン、全過程の追跡を実現し、資金と監督管理の「末端まで行き届いている」を確保し、不正流用と無駄に埋没することを防止する。直接到達メカニズムの運行が秩序正しく効果的で、市県の末端の減税費用削減を支援するために、「雪中に炭を送る」役割を果たし、経済の基盤を安定させるために重要な支援を提供した。

(二)政府の緊縮運営要請を実行する。常に刻苦奮闘、勤倹節約の思想を堅固に打ち立て、政府の緊縮運営を財政活動の長期的に堅持する方針とし、国民のための節約を着実に実行する。中央財政が先頭に立って、予算の編成と支出の関門を厳しくし、新型コロナウイルスの感染拡大防止、国債の利払い等必要な支出を除いて、その他の支出は総体的にに承認された予算規模内に収まっている。定期的に中央部門が緊縮運営の実施状況を評価し、予算の執行監視結果の運用を強化し、適時に抜け穴をふさぎ、管理を改善することを推進する。2020年に中央本級支出はマイナス成長となり、その中で緊急性がなく、変更が可能な支出が50%以上削減された。2021年の予算を手配する際に、中央本級支出は引き続きマイナス成長となるよう手配して、更に大幅に緊急性がなく、変更が可能な支出を抑えて、重点プロジェクトと政策性補助金についても、厳しく、きつく、できる限り抑えるという原則に基づいて見直しを行い、手配する。地方に勤倹節約を励行し、緊縮運営要請を着実に実行する。財政の貯蓄資金を強力に活用し、より多くの貴重な財政資源を沸き立たせ、基本的な国民生活の改善と市場主体の発展を支援するために用いる。

(三)予算管理をさらに強化する。予算法の関連規定を厳格に実施し、改正後の予算法施行条例を公布施行する。予算管理の一体化の構築を加速し、全国統一の業務規範と技術基準を制定し、情報化によって予算管理の現代化を推進する。移転支払の配分方法を完全なものにし、標準的な制御と審査メカニズムを確立し、定期的な評価メカニズムを健全化する。中期財政計画管理を強化し、年度予算編成に対する指導と制約の役割を強化する。部門の予算管理の制約メカニズムを強化し、予算執行、決算、審査、監査、監督管理等の仕事で発見された問題に基づき、関連部門の予算手配を適切に減らす。中央本級プロジェクト支出標準システムの構築を着実に推進し、基本支出定員、定額の管理をさらに強化し、予算管理における基準の基礎的役割をよりよく発揮する。予算公開を強力に推進し、102か所の中央部門が社会に部門の予算を明示し、地方が予算公開を着実に行うよう指導し、予算の透明性を高める。

(四)予算の業績管理を推進し、品質向上効果を高める。さらに業績を際立させるよう誘導し、主要な段階に対して業績管理制度の枠組みを持続的に完全なものにし、プロジェクト支出の業績評価管理の強化、第三者機関に委託して予算業績管理等の規範性文書を印刷・配布し、業界別、分野別業績指標体系を絶えず健全化する。業績目標の審査を強化し、実績目標と予算同期申告、同期審査、同期承認を行う作業メカニズムを確立し、健全化する。財政評価と業績結果の応用を強化し、60件以上の重点国民生活政策と重大プロジェクトに対する業績評価を整備し、関連する年度予算額が3,000億元を超え、業績結果を完全なものにする政策とし、予算の手配、管理の改善の重要な根拠とする。全国人民代表大会に業績情報を報告する範囲を拡大し、業績情報の社会公開を継続的に推進する。全国人民代表大会常務委員会予算工委、監査署とのコミュニケーションと協調を強化し、全国人民代表大会代表と専門家を招いて業績評価業務に参加させ、業績評価の権威性と信頼性を高める。

(五)継続的に財政・税制の改革を深化させる。現代の財政・税制の構築する目標・任務をめぐって、重点分野の改革を加速させる。生態環境、公共文化、自然資源、緊急援助等の分野で中央と地方財政の問題権と支出責任を分けて改革案を印刷・配布し、省以下の財政権限と支出責任の分割改革を積極的に推進する。税収の法定原則を実行し、不動産取得税法、都市維持建設税法が順調に導入され、印紙税法草案は手順に従って全国人民代表大会常務委員会に提出され、初めて審議される。中央レベルの振替部分の国有資本は社会保障基金の業務を達成し、全部で93の中央企業と金融機関の国有資本総額の1.68兆元を振替する。295社の中央企業は新たに国有資本経営予算の編成範囲に組み入れられる。政府の財務報告制度の構築を加速し、中央部門の編成範囲は前年の40から108に拡大し、地方レベルで階層的な政府の総合財務報告の編成を実現し、全面的にカバーする。

(六)地方政府の債務管理を強化する。ボトムライン思考を堅持し、リスク意識を強化し、管理規範、責任の明確さ、公開透明性、リスク制御が可能な地方政府の債券融資メカニズムをさらに完全なものにする。一方、地方政府の法定債務管理を強化する。安定的な増加とリスク防止の必要を兼ね備え、地方政府債の新設規模を合理的に確定し、分配メカニズムを完全なものにし、リスクの高い地域に債務限度額を厳格に制御し、リスクの累積を避ける。債務率を中心とするリスクアセスメントと早期警戒指標システムを健全化し、適時に各地域と関連部門にリスクアセスメントの早期警報結果を通報する。一方、隠れた債務のリスクを解消する作業を着実にする。部門間の情報共有と共同監督管理を強化し、リスクの発見と効果的な処理を適時に行い、長期的な監督管理制度の枠組みを完全なものにする。隠れた債務の増加を断固として抑制し、強力な監督管理を維持し、違法・規定違反行為を発見した場合、摘発し、そして責任を追及する。隠れた債務の残高を積極的に穏便に解決し、地方に市場化、法治化された債務のデフォルト処理メカニズムを確立するよう指導し、システム的なリスクが発生しないボトムラインをしっかりと守る。

(七)法に基づき人民代表大会の審査監督を受ける。「人民代表大会予算審査監督の重点支出予算と政策展開に関する指導意見」等の文書精神と全国人民代表大会の関連要求を真剣に貫き、人民代表大会の審査監督業務によりよく協力する。全国人民代表大会及びその常務委員会の関連決議を実施し、全国人民代表大会の財経委員会が提出した審査意見について項目ごとに研究し、積極的に改善し、全面的に状況と後続の措置を報告する。法律に基づき全国人民代表大会常務委員会に2019年度の国有資産管理状況を、財政部が出資者の職責及び資産監督管理職責を履行した企業の国有資産管理状況を報告し、国有資産管理状況報告の業務メカニズムを持続的に完全なものとし、成果の運用を強化する。積極的に人民代表大会代表に業務を報告し、意見を聞き、直ちに関心に応えて、財政の業務を民心の民意に一致させる。

2020年の決算状況は全体的に良いが、同時に解決しなければならない問題がある。私たちはこれらの問題を非常に重視し、強力な措置を講じて改善するとともに、同時に、挙一反三、問題の解決と防止、管理を強化し、制度を完全なものにし、財政予算管理の水準をさらに高める。

委員長、各副委員長、秘書長、各委員

今年に入ってから、財政部門は党中央委員会、国務院の政策決定配置を真剣に貫徹し、第十三期全国人民代表大会第四回会議で中央予算を審査し承認した後、中央部門の予算を適時に返答し、中央から地方へ移転支払を加速し、減税費用削減等の措置を実施する。1~4月の全国一般公共予算収入は78,008億元で、25.5%増加となっている。2019年同期に比べて7.4%増加となっている。そのうち租税収入は67,450億元で、27.1%増加となっており、税収の中の国内増税、国内消費税、輸入段階の税収、企業所得税はそれぞれ24.7%、13.9%、27.6%、25.7%増加となっている。財政収入は回復的成長を示し、わが国の経済回復が著しい効果を収めたことを反映している。前年同期比の増加が速いのは、前年同期数値の低さ、現在の工業生産者物価指数の上昇等の影響が大きいによるものである。全国の一般公共予算支出は76,396億元で、3.8%増加となっており、2019年の同期と比べて1%増加となっており、積極的な財政政策は質を上げて効果を高め、更に持続可能で、当面と長期を考慮して、国民生活等の重点分野の支出保障を強化する。企業の研究開発費用の引き上げと控除の割合等、減税政策の効果が増加して徐々に放出されるとともに、前年下半期の数値が比較的高い影響を受けて、通年の収入増加は前高後低の動きを見せており、財政収支は全体的に厳しいバランスを保っている。また、現在の世界的な新型コロナウイルス状況の不確実性は依然として高く、一部の国の経済刺激政策がもたらすリスクは無視できない。国内経済の不均衡、基礎が不安定で、通年の予算を達成するには苦労が必要である。

次に、中央経済工作会議の精神と「政府業務報告」の展開を断固として貫き、全国人民代表大会の批准予算を厳格に執行し、安定的に仕事全体の基調を堅持し、新たな発展段階を正確に把握し、新たな発展理念を全面的に貫き、新たな発展パターンの構築を加速し、高品質の発展を推進し、安定的な成長圧力の小さい潜伏期間を活用し、マクロ政策を精確に実施し、政策の連続性、安定性、持続性を維持し、急転換をせず、時の効果を把握し、人民を中心とする発展思想を堅持し、政策の効果と資金効果を確実に向上させ、経済運行を合理的な区間で維持し、通年の経済社会発展の主要目標任務を達成するよう努力する。次のような業務を重点的に行う。第一に、積極的な財政政策を細かく実行する。財政資金の直接到達メカニズムを常態的に実施し、2021年には、27件の移転支出が直接到達の範囲に含まれ、資金総額は2兆8,000億元に達し、国民生活に対する中央財政補助の完全なカバーを基本的に達成し、一部の段階的な政策の「後退」の影響をヘッジする。2021年に27項目の移転支払を全て直接到達の範囲に組み入れ、資金総額は2.8万億元となり、中央財政国民生活補助資金の全面的なカバーを基本的に達成し、一部の段階的政策「後退」に影響を与える。地方自治体の特定債券をうまく利用して、地方にプロジェクトの備蓄を強化するよう指導し、特別債の発行時間制限を適切に緩和し、発行リズムを合理的に把握し、債券資金の使用業績を高める。部門の協調を強化し、減税費用削減の効果の監視測定と分析・審査を行い、市場主体の反映に顕著な問題を解決することを適時に検討する。第二に、国家の重要な戦略的任務の財力の保障を強化する。科学技術の自立を支援し、国家戦略科学技術の力を強化し、基礎研究の投入を増やし、重要な核心技術の堅塁攻略戦をしっかりと行い、科学技術の成果の転換を加速する。地域の協調発展と人を中心とした新たな都市化を推進し、基本公共サービスの均等化水準の向上に力を入れる。農村振興戦略を全面的に実施することを支援し、貧困から脱却し、堅塁を開拓した成果と農村振興との効果的なつながりをしっかりと固める。汚染防止と生態構築を強化し、カーボンピークアウト、、カーボンニュートラル業務を秩序よく推進する。第三に、国民生活の保障と改善に力を入れている。基本的な生活保障を強化し、教育、養老、医療等の大衆が最も関心を持って、最も直接的で現実的な利益問題を解決することを支援し、ワクチン接種、新型コロナウイルスの感染拡大防止等の資金保障を引き続きしっかりと行う。国民生活政策の財政受容能力評価を強化し、国民生活支出リスト管理制度の確立を推進し、国民生活支出管理の規範性と透明性を高め、国民生活政策の持続性を強化する。第四に、末端の「三保」ボトムラインをしっかりと守る。大幅に中央が地方の財力に対する支援を増加させた上で、地方の責任を強化・実行して、財力の沈下力を増大させる。地方財政収支の運行、蓄財資金の保障状況を密接に追跡し、監視測定し、差異化した資金を調達し、貧困な地域への支援を強化する。第五に、予算管理をさらに強化する。予算の執行に対する制御を強化し、予算の約定を硬化させる。財政資源の統括を強化し、余剰資金の回収と資金の消化に力を入れる。支出標準システムの整備を加速し、支出管理をさらに規範化し、支出構造を最適化する。予算の業績管理を深化させ、貴重な財政資金を重要な箇所、重要なな時に使う。監督の問責を強化し、地方政府の隠れた債務リスクの解消に引き続き力を入れる。第六に、財務会計の監督を強化する。財務会計の監督と他の監督と協力して力を出すことを促進して、「インターネット+監督管理」、ビッグデータ等の現代情報技術手段を使って監督能力とレベルを高める。財政・税制政策の実施、リスクの解消、資金業績の向上等をめぐり、監督検査と特別管理を行い、政策追跡の効果を強化する。財政経済の規律を厳格にし、会計監査の監督管理を強化する。財政・税制に関する法律に違反した場合、厳格に責任を追及する。決して財政経済の規律を「案山子」としてはならない。良好な市場経済秩序と企業環境を維持する。第七に、しっかりと監査し、際立った問題を見つけて改善する。責任主体を明確にし、真剣に厳正に対処し、協調と連動を強化し、改善のための協力を形成する。改善すべき問題をしっかりつかみ、また政策制度の方面から深く分析し、体制の構造を完全なものにして、直ちに全国人民代表大会常務委員会に改善状況を報告する。

委員長、各副委員長、秘書長、各委員

私たちは習近平同志を中心とする党中央委員会の周辺でより緊密に団結し、中国の特色ある社会主義の偉大な旗を高く掲げ、習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想を指導として堅持し、「四つの意識」を増強し、「四つの自信」を固め、「二つの維持」をやり遂げる。全国人民代表大会常務委員会の監督を自覚的に受け入れ、今回の会議の審査意見を真剣に実行し、財政機能の役割を積極的に発揮し、全体の観念を強め、精神を集中し、実務を担当し、「十四五」の良い初動を確保し、優秀な成績で中国共産党の成立100周年を祝う。

(中国語原文)
http://www.npc.gov.cn/npc/c30834/202106/5023c667a09e43ec9e3f74b995c2e6c0.shtml