211012_「放管服」改革のさらなる深化と市場主体の活力の育成と喚起(日本語試訳)

この日本語試訳は中国語文献理解の補助とするために無償で公開しているものです。厳密な解釈・理解は、必ず中国語原文を確認願います。

国家税務総局による税務分野における「放管服」改革のさらなる深化と市場主体の活力の育成と喚起についての若干の措置に関する通知

税総征科発〔2021〕69号
2021-10-12

国家税務総局各省、自治区、直轄市と計画単列市税務局、国家税務総局駐在各地の特派員弁事所、局内の各部門:

全国の「放管服」改革の深化を徹底的に実施するために、市場主体の活力の育成と喚起のテレビ電話会議の精神を醸成し、中国共産党中央委員会弁公庁、国務院弁公庁が発行した「税金徴収・管理改革のさらなる深化に関する意見」の要求を誠実に実行するため、税務総局は15の新しい措置を打ち出し、税務分野における「放管服」改革をさらに深化させ、市場化・法治化・国際化ビジネス環境の構築に力を入れる。

一、制度的な取引コストを削減し、市場主体の活力をさらに喚起する

納税者のコンプライアンス意欲とコンプライアンス能力の向上を促進する現代税金徴収管理理念をしっかりと確立し、双方の権限と責任の境界を明確にし、事項削減、プロセス削減、資料削減を引き続き促進し、市場主体のために負担を軽減し、原動力を強化する。

(一)法律に基づいて納税者の権利と義務を明確にする。納税者の権利と義務に関する公告を改正し、改善させ、納税者が納税義務を履行する際に享受する権利と果たす義務を明確にし、納税者が納税義務を適時に、かつ正確に完了できるよう支援し、税務機関は納税者が自主的に納税義務を履行し、税法のコンプライアンスの利便性を向上させるために、法律に基づいて合理的にサービスを提供する。

(二)税金の優遇享受プロセスを簡素化する。土地付加価値税の免税事項の処理を簡素化し、事前備案から納税者が自ら判別し、自主的に申告し、享受し、調査に備えて関連資料を保持する。企業が研究開発費用の加算控除を享受するための方針の補助帳簿を簡素化するための措置を実行し、適格企業が関連する優遇政策を享受することを容易にする。

(三)企業の省を越えた移転プロセスの試行を拡大する。納税信用水準がA級、B級の企業に対して、住所、経営場所が北京・天津・河北、成都・重慶地域の双方の都市経済圏区域内における省(市)間の移転については、主管税務機関の変更に及ぶ場合、適格な企業に対して、転出地の税務機関は直ちに企業に関連する情報を転入地税務機関に送り、転入地税務機関は自動的にアクセス手続を行う。企業の既存納税信用水準等の資格情報、増値税期末控除留保額等の権益情報は引き継ぐことができる。

(四)証明を削減し、企業に利便性と国民に利益をもたらすことを持続的に促進する。情報共有、部門協力等の方法を通じて、2021年末までに税務証明事項の廃止を促進する。税務証明事項のリストを作成し、発行し、項目ごとに設定基準、発行部門、取扱ガイドライン等を明記し、リスト以外に納税者に証明を請求してはならない。

(五)税務事項の実施にあたり、不完全処理を許容する。許容される税務事項の不完全処理リストを作成し、発行し、リスクが制御可能であることを前提に、リスト内の事項の主要な資料が完全であり、二次的な資料が不足している場合、納税者は「先に処理して、その後補う」ことを約束した後、不完全処理を許容され、規定の期限内に不足資料を補充することができる。税務部門は無作為抽出検査、動向監視等の方法を採用し、税務事項の不完全処理の事後監督管理を強化する。

二、税法の執行と監督管理を最適化し、公平で公正な税務環境を維持する

法の支配の考え方と法の支配の方法を運用し改革を深化させ、公正で文明的な法執行を厳格に規制し、税金徴収・管理の方法を徹底的に変革し、法律に基づく納税と公平な競争を促進する。

(六)税法執行方法を持続的に最適化する。税務の「初違反不問」規則を研究制定し、「初違反不問」リストを厳格に執行する。集団審議、文書説明等の制度を積極的に推進し、税務行政処罰の裁量権の行使を適切に規制する。

(七)税法執行行為を厳格に規制する。行政法執行情報のオンライン入力、法執行プロセスのオンライン転送、法執行活動のオンライン監督、法執行結果のオンライン照会を徹底的に促進し、税法執行の透明性、規制化、合法性、公正性の水準をさらに向上させ、税法執行の効率を全面的に向上させる。

(八)税法執行の地域協同を強化する。地域間の税法執行基準の統一を推進し、2021年末までに北京・天津・河北、長江デルタ、成都・重慶地区の双方の都市経済圏地域内の法執行情報の相互交換、法執行結果の相互承認を実現を促進し、国の地域協調発展戦略によりよいサービスを提供する。長江デルタ地区における税務関連リスク情報の共有を促進し、長江デルタ地区の地域を跨いで事業を行う企業に対する税務リスクに対する対応を総合的に展開する。

(九)関連者申告要求を厳格に執行する。「国家税務総局の関連者申告と同期資料の改善に関する事項の公告」(2016年第42号)を誠実に実行し、企業とその他の企業、組織または個人との間で、一方の当事者が契約またはその他の形式を通じて他方の当事者の関連活動をコントロールし、それによってリターンを享受することができる場合、両当事者は関連者関係を構成し、関連当事者との間で行われている業務取引に関する申告をしなければならない。

(十)株式インセンティブの個人所得税管理を強化する。個人所得税に関する政策を厳格に執行し、株式(株券、以下同義)インセンティブを実施する企業は、株式インセンティブの実施を決定した翌月15日以内に、主管税務機関に「株式インセンティブ状況に関する報告書」(添付書類参照)を提出し、「財政部 国家税務総局個人ストックオプション所得に対する個人所得税に徴収問題に関する通知」(財税〔2005〕35号)、『財政部 国家税務総局株式インセンティブと技術の現物出資による株式取得に関する所得税政策の改善に関する通知』(財税〔2016〕101号)等の現行規定に基づいて主管税務機関に関連資料に提出する。株式インセンティブ計画が実施されたが、まだ執行が完了していない場合は、2021年末までに「株式インセンティブ状況に関する報告書」と関連資料を主管税務機関に補完的に提出する。国内企業が海外企業の株式を基準として従業員に対して株式インセンティブを行う場合、賃金、給与所得に基づいて個人所得税を源泉徴収し、上述の規定を執行しなければならない。

三、持続的に税務サービスの利便性の向上と税務ビジネス環境を最適化する

納税者と納付者を中心とすることを堅持し、インターネット、ビッグデータ等の現代の情報技術イノベーションサービスを十分に活用し、企業に利便性と国民に利益をもたらすサービス措置をさらに改善させ、納税者と納付者の合理的な需要をよりよく満たす。

(十一)税金優遇政策の直接アクセスメカニズムを最適化する。税金優遇政策と徴収・管理運営措置の同時発行、同時解釈メカニズムを改善し、税金費用の各種優遇政策が公布されると同時に、徴収・管理運営措置を発行し、徴収・管理情報システムを最適化し、政策実行の適時性、明確化、一貫性を強化する。

(十二)税務政策の明確化サービスを最適化する。12366ホットラインによる問題の迅速な対応メカニズムを最適化し、複雑な税務関連コンサルティング問題に対して迅速に回答し、税務政策の明確化サービス水準を向上させる。重大で複雑な税務関連事項に焦点を当て、知性的効率的で、高付加価値で正確な大企業税務サービスを徐々に提供する。

(十三)電子税務局のサービス水準を向上させる。電子税務局が政策の迅速かつ正確な通知を実現することを促進する。納税者側の税務処理ソフトウェアの統合を強化し、全国の規制を統一した電子税務局の移動端末を構築する。

(十四)税金還付の電子化水準を持続的に向上させる。電子税務局に依拠して、一部の税金還付業務を探索するために、税務機関から自動的に税金還付催告を通知し、納税者がワンクリック確認、オンライン申請、オンライン税金還付を行う。

(十五)通常情報の「最大一回報告」を促進する。税務関連データの「一回収集、共有共用」を積極的に促進し、税務部門によって収集されたデータまたは他の部門を通じて共有されたデータに対して、納税者、納付者に繰り返し送付を要求しない。

各級の税務機関は「放管服」の改革をさらに改善し、深化させ、税務ビジネス環境の業務メカニズムを最適化し、実際の状況に結合させた責任分担と段階の取り決めを細分化し、各措置が適時にかつ効果的に実施されることを確保しなければならない。経験と手法を継続的に総括し、納税者、納付者の合理的な需要をめぐって、企業に利便性と国民に利益をもたらすサービス管理の新しい措置を持継続的にイノベーションし、市場主体の活力をさらに育成し、喚起し、よりよいサービスと高品質の発展を提供しなければならない。

添付資料:株式インセンティブ状況報告書

国家税務総局
2021年10月12日

(中国語原文)
http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810825/c101434/c5170138/content.html