220101_中華人民共和国税関総合保税区管理弁法(日本語試訳)

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中華人民共和国税関総合保税区管理弁法(税関総署第256号令)

(2022年1月1日税関総署令第256号により公布、2022年4月1日より施行)

第一章 総則

第一条 税関による総合保税区に対する管理を規範化し、総合保税区の高いレベルの開放、高い品質の発展を促進するため、「中華人民共和国税関法」「中華人民共和国輸出入商品検査法」「中華人民共和国入出国動植物検疫法」「中華人民共和国国境衛生検疫法」「中華人民共和国食品安全法」及び関連法律、行政法規と国家関連規定に基づき、本弁法を制定する。

第二条 税関は本弁法に基づいて総合保税区に出入りする交通運輸手段、貨物及びその外装、コンテナ、物品及び総合保税区内(以下、区内と略称する)企業に対して監督管理を実施する。

第三条 総合保税区は閉鎖的管理を実行する。
警備員以外の者は、区内に居住してはならない。

第四条 総合保税区の基礎と監督施設は総合保税区の基礎と監督施設の設置規範を遵守し、関係部門と協力し、税関による検査及び承認を経て合格しなければならない。

第五条 区内企業は法律に基づいて以下の業務を展開することができる。
(一) 研究開発、加工、製造、再製造
(二) 検査、修理
(三) 貨物の保管
(四) 物流の配分
(五) 融資リース
(六) クロースボーダーEコマース
(七) 商品展示
(八) 国際中継貿易
(九) 国際中継輸送
(十) 港湾業務
(十一) 先物保税引渡
(十二) 国が規定している区内で展開できるその他の業務。

第六条 税関は区内企業に対してコンピュータネットワーク管理を実行し、総合保税区の情報化、インテリジェント化管理レベルを向上させる。

第二章 総合保税区と海外との間の輸出入貨物の管理

第七条 法律法規に別段の定めがある場合を除き、国が輸入、輸出を禁止する貨物、物品は総合保税区と海外との間で出し入れしてはならない。

第八条 総合保税区と海外との間で出し入れする貨物には関税割当額、許可証明書管理を適用しない。ただし法律法規、我が国が締結または参加する国際条約、協定に別段の定めがある場合を除く。

第九条 総合保税区と海外との間で出し入れする貨物は、その出荷人及び受取人または代理人が税関に事実に基づいて申告し、税関の規定に基づいて入出国貨物備案リストに記入し、関連手続をしなければならない。

第十条 海外から総合保税区に入った貨物及びその外装、コンテナは、税関が法律に基づいて入国港で検疫を実施しなければならない。港湾条件の制限等の原因で、税関は区内の適格な場所(サイト)で検疫を実施することができる。
総合保税区から海外に出荷される貨物及びその外装、コンテナは、税関が法律に基づいて検疫を実施しなければならない。
総合保税区と海外との間で出入りする交通輸送手段は、税関が出入国交通輸送手段の関連規定に基づいて検疫を実施しなければならない。

第十一条 海外から総合保税区に入った貨物は保税されるものとする。ただし、本弁法第十二条、十四条に規定されている場合を除く。

第十二条 法律法規に別段の定めがある場合を除き、以下の貨物が海外から総合保税区に入った場合、税関は輸入関税と輸入段階税を免除する。
(一)  区内の生産的なインフラ建設プロジェクトに必要な機械、設備と生産工場、倉庫施設の建設に必要なインフラ建設物資。
(二)  区内企業が本弁法の第五条に記載されている業務を展開するために必要な機械、設備、金型及びその修理用部品。
(三)  総合保税区行政管理機構と区内企業が自己使用するための合理的な量の事業用品。
国務院が総合保税区の設立を承認した日より、海外から総合保税区に入る区内企業の自己使用ための機械、設備は前項の規定に基づいて執行する。

第十三条 本弁法第十二条に記載されている貨物の監督管理年限は、輸入された免税貨物の監督管理年限管理を参照し、監督管理年限が満了した場合、自動的に監督管理が解除される。監督管理年限が満了していない企業が事前に監督管理を解除することを申請した場合、輸入免税貨物の税還付に関する関連規定を参照して処理し、許可証明書管理の対象となる場合、関連許可証明書を取得しなければならない。

第十四条 海外は総合保税区に入り、区内企業と行政管理機構が自己使用する交通運輸手段、生活用品については、税関は法律に基づいて輸入関税と輸入段階税を徴収する。

第十五条 法律法規に別段の定めがある場合を除き、総合保税区から海外に出荷される貨物は輸出関税を免除する。

第三章 総合保税区と区外との間の輸出入貨物の管理

第十六条 総合保税区と中華人民共和国国内のその他の地域(以下、区外と略称する)との間で出入りする貨物は、区内企業又は区外の出荷人及び受取人は規定に基づいて税関に関連手続をしなければならない。
貨物が関税割当額、許可証明書の管理の対象となる場合、区内企業または区外の出荷人及び受取人は関税割当額、許可証明書を取得しなければならない。税関は関税割当額を検証し、許可証明書の電子データに対して体系的に自動比較検証を行わなければならない。

第十七条 法律法規に別段の定めがある場合を除き、税関は総合保税区と区外との間で出入りする貨物及びその外装、コンテナに対して検疫を実施しない。

第十八条 総合保税区と区外との間で出入りする貨物について、区内企業又は区外の出荷人及び受取人は貨物が区に出入りする際の実際の状態に応じて法律に基づいて関税と輸入段階税を納付しなければならない。
区内企業が加工生産した貨物が区外で販売される場合、区内企業または区外の出荷人及び受取人はその対応する輸入資材に基づいて関税を納付し、関税税金の緩税利息を追納することができる。輸入段階税は区を出る際の貨物の実際の状態に応じて規則に基づいて納付しなければならない。

第十九条 総合保税区を経て区外に出荷される優遇貿易協定に基づく貨物は、関連する原産地管理規定に適合する場合、協定税率または優遇税率を適用することができる。

第二十条 輸出申告の方式で総合保税区に入った貨物は保税される。その中で、区内企業が区外から購入した機械、設備は輸入された免税貨物の監督管理年限管理を参照し、監督管理年限が満了した場合、自動的に監督管理が解除され、許可証の提出が免除される。監督管理年限が満了していない企業が事前に監督管理を解除することを申請した場合、輸入された免税貨物の税還付に関する関連規定を参照して関連手続を行い、許可証の提出が免除される。
前項の規定による貨物の輸出税還付は国の関連規定に基づいて処理する。

第二十一条 区内企業が加工生産過程で保税材料から生じるスクラップ、不良品、副産物及び加工生産、保管、輸送等の過程で発生した包装資材を、区外で販売する場合、区内企業は貨物が区を出る際の実際の状態に応じて税金を納付しなければならない。不良品、副産物が関税割当額、許可証明書管理の対象となる場合、区内企業または区外出荷人及び受取人は関税割当額、許可証明書を取得しなければならない。税関は関税割当額を検証し、許可証明書の電子データに対して体系的に自動比較検証を行わなければならない。

第二十二条 区内企業によって発生し海外に再出国されなかった固形廃棄物は、国内の固形廃棄物の関連規定に基づいて管理する。区外に出荷して保管、使用または処分を行う必要がある場合は、規定に基づいて税関に区を出る手続きをしなければならない。

第二十三条 区内企業が法律に基づいて区内貨物に対して廃棄処置を取った場合、関連手続を取らなければならない、廃棄処置費用は区内企業が負担しなければならない。廃棄処置により発生した固形廃棄物は区を出る際に、本弁法第二十二条に基づいて処理する。

第二十四条 区内企業は税関の規定に基づいて集中申告手続を行うことができる。
税関総署に別段の定めがある場合を除き、区内企業は毎四半期が終了する翌月15日までに当該四半期の貨物集中申告手続をしなければならない。ただし、帳簿の消込期限より遅れてはならず、年度をまたいで処理してはならない。
集中申告は税関が集中申告を受けた日に実施される税率、為替レートを適用する。

第二十五条 総合保税区とその他の総合保税区等の税関特別監督管理区域、保税監督管理場所との間で往来する貨物は保税されなければならない。
総合保税区とその他の総合保税区等の税関特別監督管理区域または保税監督管理場所との間で流通する貨物は、関税と輸入段階税を徴収しない。

第四章 総合保税区内の貨物の管理

第二十六条 総合保税区内の貨物は自由に流通することができる。区内企業が貨物を譲渡、移転する場合、両当事者の企業は適時に税関に譲渡、移転貨物の品名、数量、金額等の電子データ情報を報告しなければならない。

第二十七条 区内企業は監督管理期間内に免税設備を利用して区外の企業の委託を受けて加工業務を展開することができる。
区内企業が委託加工業務を展開するには、専用の委託加工電子帳簿を設置しなければならない。委託加工用材料に保税材料を使用する必要がある場合、区内企業は税関に報告しなければならない。
委託加工により発生した固形廃棄物は、区を出る際、本弁法第二十二条に基づいて処理する。

第二十八条 区内企業が税関の規定に基づいて自己使用の機械、設備及びその部品、金型又は事務用品を区外に出荷して検査、修理を行う場合、検査、修理期間中に区外での加工生産と使用に使用してはならず、かつ出荷日から60日以内に総合保税区に返送しなければならない。何らかの理由により期限内に返送できない場合、区内企業は期限が満了する前の7日以内に税関に延期を申請し、延長期限は30日を超えてはならない。
前項の規定する貨物が特別な事情により上記の期限内に検査、修理を完了し、総合保税区に返送できない場合は、税関の同意を得て、検査、修理契約の期間内に総合保税区に返送することができる。
部品を交換する場合、元の部品は総合保税区に一括して返送しなければならない。確実に区外で処分する必要がある場合、税関は元の部品の実際の状態に応じて課税しなければならない。区外で交換した国産部品は、税還付を必要とする場合、企業は関連規定に基づいて手続をしなければならない。

第二十九条 区内企業が税関の規定に基づいて金型、原材料、半製品等を区外に出荷し外注加工を行う場合、外注加工期限は契約の有効期限を超えてはならず、加工された貨物は期限内に総合保税区に返送しなければならない。
外注加工で発生したスクラップ、不良品、副産物が総合保税区に返送されない場合、税関は貨物の実際の状態に応じて課税しなければならない。不良品、副産物が関税割当額、許可証明書管理の対象となる場合、区内企業または区外の出荷人及び受取人は関税割当額、許可証明書を取得しなければならない。税関は関税割当額を検証し、許可証明書の電子データに対して体系的に自動比較検証を行わなければならない。

第三十条 不可抗力により総合保税区内の貨物が損傷し、紛失した場合、区内企業は適時に税関に報告しなければならない。税関による検証された後、区内企業は以下の規定に基づいて処理することができる。
(一)  貨物を紛失した場合、または紛失していないが使用価値を完全に失った場合、消込と免税手続を行う。
(二)  海外から総合保税区に入り、または区外から総合保税区に入り輸出税還付手続をした貨物が損傷し、一部の使用価値を失った場合、区外で販売されまたは返品手続を行う。
(三)  区外から総合保税区に入って輸出税還付手続をしていない貨物が損傷し、一部の使用価値を失った場合、輸出企業に返品及び交換する必要がある場合、返品と交換手続きを行う。

第三十一条 保管の不備等の不可抗力要素により区内の貨物が損傷し、紛失した場合、区内企業は適時に税関に報告し、状況を説明しなければならない。税関による検証された後、区内企業は以下の規定に基づいて処理することができる。
(一)  海外から総合保税区に入った貨物は、一般貿易輸入貨物の規定に基づいて関連手続を行い、税関が審査した貨物の損傷または紛失する前の関税支払価格に基づき、貨物が損傷または紛失した日に適用される税率、為替レートで関税、輸入段階税を納付する。
(二)  区外から総合保税区に入った貨物は、輸出によって返還された国内段階の関連税を再納付し、輸出関税を納付した場合、払い戻しは行わない。

第三十二条 区内企業が放棄を申請した貨物は、税関及び関連主管部門の承認を得た後、税関が法律に基づいて取得し、競売にかけ、競売収入は国の関連規定に基づいて処理する。ただし、法律法規の規定によって放棄してはならない場合を除く。

第三十三条 法律法規に別段の定めがある場合を除き、区内の貨物には保管期限を設けない。

第五章 区内企業の管理

第三十四条 区内企業及びその支店は市場主体の資格を取得し、法律に基づいて税関に登録又は備案手続をしなければならない。
区内で食品生産に従事する企業は法律に基づいて国内生産許可を取得しなければならない。

第三十五条 区内企業は法律法規の規定に基づいて財務管理を規範化し、税関の規定に基づいて税関の電子帳簿を設定しなければならない。電子帳簿の備案、変更、消込は税関の関連規定に基づいて執行しなければならない。

第三十六条 税関は区内企業に対して監査、検証制度を実行する。
区内の企業は税関の監査、検証に協力し、関連帳簿、文書等の関連資料と電子データを事実に基づいて提供しなければならない。

第三十七条 区内企業が税関事務保証業務を展開する場合、税関事務保証関連規定に基づいて執行する。

第六章 附則

第三十八条 総合保税区に出し入れする貨物の検査は関連規定に基づいて執行する。

第三十九条 総合保税区と区外との間で出入りする交通輸送手段、人員は指定された通路を通じて出入りし、税関は必要に応じて検査を実施しなければならない。
総合保税区と海外との間で出入りする交通運輸手段のサービス人員が個人物品を持って総合保税区に出入りする場合、税関は入出国旅客の荷物に関連規定に基づいて監督管理を行う。

第四十条 税関が総合保税区で法律に基づいて監督管理を実施することは、地方政府とその他の部門が法律に基づく対応する職責を履行することに影響を及ばさない。

第四十一条 法律法規に別段の定めがある場合を除き、税関は海外と総合保税区との間で出し入れされる貨物に対して輸出入貨物貿易統計を実施する。区外と総合保税区との間で出し入れする貨物に対して、管理の必要に応じて税関個別統計と税関業務統計を実施する。総合保税区に関連する税関監督管理活動と内部管理事業に対して税関業務統計を実施する。

第四十二条 区内で増値税の一般納税者の資格試行を展開した場合、増値税の一般納税者の資格試行政策の関連規定に基づいて執行する。

第四十三条 国内から区に入り輸出関税にかかわらず、許可証明書にかかわらず、税金還付を必要とせず、税関統計に含まれていない貨物に対して、税関は利便的な出入区管理を実施する。

第四十四条 本弁法の規定に違反した行為は、税関が関連法律法規の規定に基づいて処罰する。犯罪を構成する場合、法律に基づいて刑事責任を追及する。

第四十五条 総合保税区の設立審査、建設の承認、監督管理等の要求は国の関連規定に基づいて執行する。

第四十六条 本弁法は税関総署がその解釈の責任を負う。

第四十七条 本弁法は2022年4月1日より施行する。2007年9月3日に税関総署令第164号が公布され、2010年3月15日に税関総署令第191号、2017年12月20日に税関総署令第235号、2018年5月29日に税関総署令第240号、2018年11月23日に税関総署令第243号により改正された「中華人民共和国税関による保税港湾区の管理に関する暫定弁法」に基づき、2005年11月28日に税関総署令第134号が公布され、2010年3月15日税関総署令第190号、2017年12月20日税関総署令第235号、2018年5月29日税関総署令第240号、2018年11月23日税関総署令第243号により改正された「中華人民共和国税関による保税物流園区の管理方法」は同時に廃止する。

(中国語原文)
http://www.customs.gov.cn/customs/302249/2480148/4105208/index.html