この日本語試訳は中国語文献理解の補助とするために無償で公開しているものです。厳密な解釈・理解は、必ず中国語原文を確認願います。
中華人民共和国商標法
(1982年8月23日第五届全国人民代表大会常務委員会第24回会議で可決 1993年2月22日第7回全国人民代表大会常務委員会第30回会議における「中華人民共和国商標法の改正に関する決定」に基づき初回改正 2001年10月27日第9回全国人民代表大会常務委員会第24回会議における「中華人民共和国商標法の改正に関する決定」に基づき第2回改正 2013年8月30日第12回全国人民代表大会常務委員会第4回会議における「中華人民共和国商標法の改正に関する決定」に基づき第3回改正 2019年4月23日第13回全国人民代表大会常務委員会第10回会議における「中華人民共和国建築法等8部法律の改正に関する決定」に基づき第4回改正 2026年6月26日第14回全国人民代表大会常務委員会第23回会議で改訂)
目次
第一章 総則
第二章 商標登録の要件
第三章 商標登録の出願
第四章 商標登録の審査および登録
第五章 登録商標の更新、変更、譲渡および抹消
第六章 登録商標の無効宣告
第七章 商標管理
第八章 登録商標専用権の保護
第九章 附則
第一章 総則
第一条 登録商標専用権を保護し、商標管理を強化し、商標の登録および使用を規範化し、生産者および事業者に商品およびサービスの品質を保証させ、商標の信用を維持し、消費者ならびに生産者および事業者の利益を保障し、社会主義市場経済の健全な発展を促進するため、本法を制定する。
第二条 本法にいう商標とは、商品またはサービスの出所を識別し、区別するために用いられる標識をいい、商品商標およびサービス商標を含む。本法の商品商標に関する規定は、サービス商標にも適用する。
本法にいう商標の使用とは、商標を商品、商品の包装もしくは容器または商品取引文書に使用し、あるいは広告宣伝、展示その他の商業活動に使用することにより、商品の出所を識別し、区別する行為をいう。
前項にいう商標の使用には、インターネットその他の情報ネットワークを通じて行われる使用行為を含む。
第三条 商標に関する業務は、党および国家の知的財産戦略上の方針を貫徹し、商標の保護、活用、管理およびサービスの水準を向上させなければならない。
第四条 国務院商標管理部門は、全国の商標登録および管理業務を担当する。県級以上の地方人民政府において商標管理を担当する部門は、当該行政区域内の商標管理業務を担当する。
県級以上の人民政府において商標法執行の職能を担う部門は、その職責および権限に従い、商標法執行業務を担当する。
商標登録および管理を担当する部門と商標法執行を担当する部門は、業務連携の仕組みを構築し、情報共有および業務上の調整を強化する。
第五条 国務院商標管理部門によって登録を認められた商標を登録商標とする。商標登録人は、「登録商標」の表示または登録標記を付す権利を有し、登録商標専用権を享有し、法律による保護を受ける。
自然人、法人または法人格を有しない組織が、生産・事業活動において、その商品またはサービスについて登録商標専用権を取得する必要がある場合には、国務院商標管理部門に商標登録を出願しなければならない。
第六条 本法にいう団体商標とは、業界団体その他の社会団体またはその他の組織の名義で登録され、その組織の構成員が商業活動において使用することにより、使用者が当該組織の構成員であることを表示する標識をいう。
本法にいう証明商標とは、ある商品またはサービスについて監督能力を有する組織が管理し、当該組織以外の組織または個人がその商品またはサービスに使用することにより、当該商品またはサービスの原産地、原料、製造方法、品質その他の特定の特性を証明する標識をいう。
団体商標および証明商標の登録・管理に関する特別事項は、国務院商標管理部門が定める。
第七条 二以上の自然人、法人または法人格を有しない組織は、共同して国務院商標管理部門に同一商標の登録を出願し、共同して当該登録商標専用権を享有し、行使することができる。
第八条 法律または行政法規により登録商標の使用が義務付けられている商品については、商標登録を出願しなければならない。登録を認められていないものは、市場で販売してはならない。
第九条 商標の登録出願および使用にあたっては、誠実信用の原則に従わなければならず、権利を濫用して国家利益、社会公共の利益または他人の合法的権益を害してはならない。
商標使用者は、その商標を使用する商品の品質について責任を負わなければならない。各級の商標管理および商標法執行を担当する部門は、法に基づいて商標管理および法執行を強化し、消費者を欺く行為を制止しなければならない。
第十条 商標登録の出願またはその他の商標事務は、自ら行うことも、法に基づいて設立された商標代理機関に委託して行うこともできる。
第十一条 外国人、外国企業またはその他の外国組織が中国において商標登録を出願する場合には、その所属国と中華人民共和国との間で締結された協定、双方が加盟する国際条 約、または相互主義の原則に従って取り扱う。
中国国内に常に居所または営業所を有しない外国人、外国企業またはその他の外国組織が、中国において商標登録を出願し、またはその他の商標事務を行う場合には、法に基づいて設立された商標代理機関に委託しなければならない。
第十二条 商標の国際登録については、中華人民共和国が締結し、または加盟する関係国際条 約により確立された制度に従う。具体的な方法は、国務院が定める。
第十三条 国務院商標管理部門は、情報化・知能化された商標公共サービス体系の整備を強化し、商標業務手続の利便性を高め、商標情報を完全、正確かつ適時に公表し、商標情報サービスおよび管理の水準を向上させる。
第二章 商標登録の要件
第十四条 自然人、法人または法人格を有しない組織の商品を他人の商品と区別することができる標識は、文字、図形、アルファベット、数字、立体標識、色彩の組合せ、音、動的標識その他、およびこれらの要素の組合せを含め、いずれも商標として登録出願することができる。
第十五条 次に掲げる標識は、商標として登録し、または使用してはならない。
(一)中国共産党の名称、党旗、党章、勲章、または重要な理論的成果もしくは歴史的事件に関連する象徴的要素等と同一または類似するもの
(二)中華人民共和国の国名、国旗、国章、国歌、軍旗、軍章、軍歌、勲章等と同一または類似するもの、ならびに中央および国家機関の名称・標識、所在地の特定地点の名称、または象徴的建築物の名称・図形と同一のもの
(三)外国の国名、国旗、国章、軍旗等と同一または類似するもの。ただし、当該国政府の同意を得たものを除く。
(四)政府間国際機関の名称、旗、徽章等と同一または類似するもの。ただし、当該機関の同意を得たもの、または公衆を誤認させるおそれが少ないものを除く。
(五)管理の実施または保証を表示する公的標識もしくは検査印と同一または類似するもの。ただし、授権を受けたものを除く。
(六)「赤十字」または「赤新月」の名称もしくは標識と同一または類似するもの
(七)民族差別的な内容を含むもの
(八)欺瞞性を有し、商品の品質、製法、原料その他の特徴または産地について、公衆に誤認を生じさせるおそれがあるもの
(九)公序良俗に反し、またはその他の悪影響を及ぼすもの
第十六条 県級以上の行政区画の名称または公衆に知られている外国の地名は、商標として登録し、または使用してはならない。ただし、当該地名が別の意味を有する場合、または団体商標もしくは証明商標の構成部分である場合を除く。すでに登録されている地名を使用した商標は、引き続き有効とする。
国立公園標識、オリンピック標識、特殊標識その他の標識を商標として登録し、または使用する場合には、本法ならびに関係法律および行政法規の規定に従う。
第十七条 登録を出願する商標は、顕著な特徴を有し、識別しやすいものでなければならない。次に掲げる標識は、商標として登録することができない。
(一)当該商品の普通名称、図形または型式のみからなるもの
(二)商品の品質、主要原料、機能、用途、重量、数量その他の特徴を直接表示するもののみからなるもの
(三)その他、顕著な特徴を欠くもの
前項に掲げる標識であっても、使用によって顕著な特徴を獲得し、識別しやすくなったものは、商標として登録することができる。
第十八条 立体標識、色彩の組合せ、音、動的標識その他を商標として登録出願する場合において、商品の性質そのものから生じる形状、色彩の組合せ、音もしくは動的効果、技術的効果を得るために必要な形状、色彩の組合せ、音もしくは動的効果、または商品に実質的な価値を与える形状、色彩の組合せ、音もしくは動的効果その他は、商標として登録することができない。
第十九条 使用を目的とせず、かつ通常の生産・経営上の必要性を明らかに超えて商標登録を出願した場合には、登録を認めない。
欺罔その他の不正な手段により、商標登録を出願してはならない。
第二十条 登録を出願する商標は、同一または類似の商品について、他人がすでに登録している商標または先に出願した商標と同一または類似するものであってはならない。
第二十一条 同一または類似の商品について登録を出願する商標が、中国で登録されていない他人の著名商標を複製、模倣または翻訳したものであり、混同を生じさせるおそれがある場合には、その登録を認めず、その使用を禁止する。
同一でも類似でもない商品について登録を出願する商標が、他人の著名商標を複製、模倣または翻訳したものであり、公衆を誤認させ、その著名商標の権利者の利益が害されるおそれがある場合には、その登録を認めず、その使用を禁止する。
第二十二条 代理人または代表者が、授権を受けることなく、本人または被代表者の商標を自己の名義で登録し、本人または被代表者が異議を申し立てた場合には、その登録を認めず、その使用を禁止する。
同一または類似の商品について登録を出願する商標が、他人が先に使用している未登録商標と同一または類似する場合において、出願人が、前項に定めるもの以外の契約関係、取引関係その他の関係を当該他人との間に有し、その商標の存在を知っており、かつ当該他人が異議を申し立てたときは、その登録を認めない。
第二十三条 商標中に商品の地理的表示が含まれているにもかかわらず、当該商品がその表示によって示される地域を原産地とせず、公衆を誤認させる場合には、その登録を認めず、その使用を禁止する。ただし、すでに善意により登録を取得している場合には、その登録は引き続き有効とする。
前項にいう地理的表示とは、ある商品が特定の地域を原産地とし、その商品の特定の品質、信用その他の特徴が、主として当該地域の自然的要因または人的要因によって決定されることを示す標識をいう。
第二十四条 商標登録の出願は、他人が現に有する先行する適法な権益を害してはならず、また、他人がすでに使用し、一定の影響力を有する商標を、故意に先取りして登録してはならない。
第二十五条 商標代理機関は、自らの代理サービスについて商標登録を出願する場合を除き、その他の商標の登録を出願してはならない。
第三章 商標登録の出願
第二十六条 商標登録出願人は、所定の商品分類表に従い、商標を使用する商品の区分および商品名称を記載して、登録出願を行わなければならない。
商標登録出願人は、一件の出願により、複数の商品区分について同一商標の登録を出願することができる。
商標登録出願その他の関係書類は、書面により提出しなければならない。電子データ交換その他の方法により、その内容を有形的に表示することができ、かつ、随時閲覧および利用することができるデータ電文は、書面とみなす。
第二十七条 登録商標について、指定された使用範囲以外の商品について商標専用権の登録を受けようとする場合には、別途登録出願をしなければならない。
第二十八条 登録商標の標章を変更する必要がある場合には、改めて登録出願をしなければならない。
第二十九条 商標登録出願人が、外国において最初に商標登録出願をした日から六か月以内に、中国において同一の商品について同一商標の登録出願を行った場合には、当該外国と中国との間の協定、双方が加盟する国際条 約、または優先権の相互承認の原則に基づき、優先権を主張することができる。
前項に基づき優先権を主張する場合には、商標登録出願時に書面による声明を提出するとともに、三か月以内に最初の商標登録出願書類の副本を提出しなければならない。書面による声明を提出しなかった場合、または期限内に副本を提出しなかった場合には、優先権を主張しなかったものとみなす。
第三十条 商標が、中国政府の主催または承認する国際博覧会に出品された商品について最初に使用された場合には、その商品の展示日から六か月以内に、その商標の登録出願人は優先権を主張することができる。
前項に基づき優先権を主張する場合には、商標登録出願時に書面による声明を提出するとともに、三か月以内に、商品の展示会名称、展示商品に当該商標を使用した証拠、展示日その他の証明書類を提出しなければならない。書面による声明を提出しなかった場合、または期限内に証明書類を提出しなかった場合には、優先権を主張しなかったものとみなす。
第三十一条 商標登録出願に際して届け出る事項および提出する資料は、真実かつ正確であり、完全なものでなければならない。
第四章 商標登録の審査および登録
第三十二条 登録出願された商標については、国務院商標管理部門は、商標登録出願書類を受理した日から九か月以内に審査を完了し、本法の関係規定に適合するものについては、初歩審定公告(予備審査公告)を行わなければならない。
第三十三条 審査の過程において、国務院商標管理部門は、商標登録出願の内容について説明または補正が必要であると認める場合には、出願人に説明または補正を求めることができる。
出願人が説明または補正を行わなかった場合であっても、国務院商標管理部門が審査決定を行うことを妨げない。
第三十四条 登録出願された商標が、本法の関係規定に適合しない場合には、国務院商標管理部門は出願を拒絶し、公告を行わない。
第三十五条 二人以上の商標登録出願人が、同一または類似の商品について、同一または類似の商標を登録出願した場合には、先に出願した商標について初期審査および公告を行う。
同日に出願された場合には、先に使用した商標について初期審査および公告を行い、その他の出願を拒絶し、公告を行わない。
第三十六条 初期審査公告された商標については、公告の日から二か月以内に、先行権利者または利害関係人が、本法第二十条 から第二十二条 まで、第二十三条 第一項または第二十四条 に違反すると認める場合、または何人も、本法第十五条 、第十六条 第一項、第十七条 から第十九条 までまたは第二十五条 に違反すると認める場合には、国務院商標管理部門に異議を申し立てることができる。公告期間満了まで異議がない場合には、登録を認め、商標登録証を交付し、その旨を公告する。
第三十七条 出願を拒絶し公告を行わない商標については、国務院商標管理部門は、商標登録出願人に対し書面で通知しなければならない。商標登録出願人は、この決定に不服がある場合には、通知を受けた日から十五日以内に、国務院商標管理部門に再審査を請求することができる。国務院商標管理部門は、請求を受理した日から九か月以内に決定を行い、書面で出願人に通知しなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、三か月延長することができる。当事者は、再審査決定に不服がある場合には、通知を受けた日から三十日以内に人民法院へ提訴することができる。
第三十八条 初期審査公告された商標について異議申立てがあった場合には、国務院商標管理部門は、異議申立人および被異議申立人の事実および理由についての陳述を聴取し、調査・確認を経た上で、公告期間満了の日から十二か月以内に登録を認めるか否かを決定し、その決定を書面で双方に通知しなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、六か月延長することができる。
登録を認める決定をした場合には、商標登録証を交付し、その旨を公告する。異議申立人は、この決定に不服がある場合には、本法第五十条 および第五十一条 の規定に基づき、国務院商標管理部門に対し、登録商標の無効宣告を請求することができる。
登録を認めない決定を受けた被異議申立人は、通知を受けた日から十五日以内に再審査を請求することができる。国務院商標管理部門は、請求を受理した日から十二か月以内に再審査決定を行い、書面で双方に通知しなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、六か月延長することができる。被異議申立人は、再審査決定に不服がある場合には、通知を受けた日から三十日以内に人民法院へ提訴することができる。人民法院は、異議申立人を第三者として訴訟に参加させなければならない。
第三十九条 法定期間が満了し、当事者が国務院商標管理部門の出願拒絶決定または登録不許可決定について再審査を請求せず、または再審査決定について人民法院へ提訴しなかった場合には、当該決定は効力を生ずる。
異議申立てに理由がないと判断され登録が認められた商標については、商標登録出願人が商標専用権を取得する時期は、初期審査公告期間二か月の満了の日から起算する。公告期間満了の日から登録許可決定がなされるまでの間に、他人が同一または類似の商品について当該商標と同一または類似の標識を使用した行為については、遡及して責任を問わない。ただし、その使用者の悪意により商標登録人に損害を与えた場合には、損害賠償をしなければならない。
第四十条 商標登録出願および商標再審査請求については、国務院商標管理部門は速やかに審査を行わなければならない。
出願人は、前項に規定する出願または請求を取り下げることができる。
第四十一条 国務院商標管理部門は、商標異議審査、拒絶査定不服審判、登録不許可再審査および無効宣告事件の審理において、先行権利の確定が、人民法院で審理中または行政機関で処理中の他の事件の結果に依拠しなければならない場合には、審査または審理を中止することができる。中止事由が消滅した後は、速やかに審査または審理手続を再開しなければならない。
第四十二条 商標登録出願人または商標権者は、出願書類または登録書類に明らかな誤りがあることを発見した場合には、更正を申請することができる。国務院商標管理部門は、その職権の範囲内で法に基づき更正を行い、その旨を当事者に通知する。
前項にいう更正は、商標出願書類または登録書類の実質的内容に関わるものではない。
第五章 登録商標の更新、変更、譲渡および抹消
第四十三条 登録商標の有効期間は十年とし、登録が認められた日から起算する。
第四十四条 登録商標の有効期間が満了した後も引き続き使用する必要がある場合、商標登録人は、有効期間満了前の十二か月以内に、規定に従って更新手続を行わなければならない。この期間内に手続を行うことができなかった場合には、六か月の猶予期間を与えることができる。各回の更新登録の有効期間は十年とし、当該商標の直前の有効期間満了日の翌日から起算する。猶予期間が満了しても更新手続が行われなかった場合には、その登録商標を抹消する。
国務院商標管理部門は、更新登録された商標について公告しなければならない。
第四十五条 登録商標について、登録人の名称、住所その他の登録事項を変更する必要がある場合には、変更申請を行わなければならない。
第四十六条 登録商標を譲渡する場合、譲渡人および譲受人は譲渡契約を締結し、共同して国務院商標管理部門に申請しなければならない。譲受人は、当該登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。
登録商標を譲渡する場合、商標登録人は、同一の商品について登録している類似商標、または類似の商品について登録している同一もしくは類似の商標を、一括して譲渡しなければならない。
混同を生じさせるおそれがある譲渡、またはその他の好ましくない影響を及ぼす譲渡については、国務院商標管理部門はこれを認めず、申請人に書面で通知するとともに、その理由を説明する。
登録商標の譲渡が認められた場合には、その旨を公告する。譲受人は、公告の日から登録商標専用権を有する。
第四十七条 団体商標または証明商標を譲渡する場合、譲受人は、それに対応する主体資格および監督能力を備えていなければならない。
第四十八条 商標登録人が、その登録商標の抹消、または一部の指定商品についての登録の抹消を申請し、国務院商標管理部門がこれを認めた場合には、その旨を公告する。当該登録商標専用権、または当該登録商標専用権のうち当該一部の指定商品に係る効力は、公告の日から消滅する。
第四十九条 商標登録人が登録商標の抹消を申請した場合、抹消公告の日から一年以内は、国務院商標管理部門は、他人が同一または類似の商品について当該商標と同一または類似の商標を登録出願しても、これを認めない。
第六章 登録商標の無効宣告
第五十条 すでに登録された商標が、本法第十五条 、第十六条 第一項、第十七条 から第十九条 まで、または第二十五条 の規定に違反する場合には、国務院商標管理部門が当該登録商標を無効と宣告する。その他の組織または個人も、国務院商標管理部門に対し、当該登録商標の無効宣告を請求することができる。
国務院商標管理部門が登録商標を無効と宣告する決定をした場合には、当事者に書面で通知しなければならない。当事者は、その決定に不服がある場合には、通知を受けた日から十五日以内に再審査を申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受けた日から九か月以内に決定を行い、当事者に書面で通知しなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、三か月延長することができる。当事者は、再審査決定に不服がある場合には、通知を受けた日から三十日以内に人民法院へ提訴することができる。
その他の組織または個人が、国務院商標管理部門に対して登録商標の無効宣告を請求した場合、国務院商標管理部門は、申請を受けた後、関係当事者に書面で通知し、期限を定めて答弁を求めなければならない。国務院商標管理部門は、申請を受けた日から九か月以内に、登録商標を維持するか、または登録商標を無効と宣告するかについて裁定し、当事者に書面で通知しなければならない。
特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、三か月延長することができる当事者は、国務院商標管理部門の裁定に不服がある場合には、通知を受けた日から三十日以内に人民法院へ提訴することができる。人民法院は、商標裁定手続における相手方当事者を、第三者として訴訟に参加させなければならない。
第五十一条 すでに登録された商標が、本法第二十条 から第二十二条 まで、第二十三条 第一項または第二十四条 の規定に違反する場合には、商標登録の日から五年以内に、先行権利者または利害関係人は、国務院商標管理部門に対し、当該登録商標の無効宣告を請求することができる。悪意による登録については、著名商標の権利者は、この五年の期間制限を受けない。
国務院商標管理部門は、登録商標の無効宣告の申請を受けた後、関係当事者に書面で通知し、期限を定めて答弁を求めなければならない。国務院商標管理部門は、申請を受けた日から十二か月以内に、登録商標を維持するか、または登録商標を無効と宣告するかについて裁定し、当事者に書面で通知しなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、六か月延長することができる。当事者は、国務院商標管理部門の裁定に不服がある場合には、通知を受けた日から三十日以内に人民法院へ提訴することができる。人民法院は、商標裁定手続における相手方当事者を、第三者として訴訟に参加させなければならない。
第五十二条 法定期間が満了し、当事者が、国務院商標管理部門による登録商標無効宣告の決定について再審査を申請せず、または再審査決定、登録商標維持の裁定もしくは登録商標無効宣告の裁定について人民法院へ提訴しなかった場合には、国務院商標管理部門の決定または裁定は効力を生ずる。
第五十三条 本法第五十条 または第五十一条 の規定に基づき無効と宣告された登録商標については、国務院商標管理部門がその旨を公告し、当該登録商標専用権は、初めから存在しなかったものとみなす。
登録商標を無効とする決定または裁定は、無効宣告前に人民法院が下し、すでに執行された商標権侵害事件の判決、裁定もしくは調解書、商標法執行を担当する部門が下し、すでに執行された商標権侵害事件の処理決定、またはすでに履行された商標譲渡契約もしくは使用許諾契約には、遡及しない。ただし、商標登録人の悪意により他人に損害を与えた場合には、損害を賠償しなければならない。
前項の規定に基づき、商標権侵害に係る損害賠償金、商標譲渡料または商標使用許諾料を返還しないことが、公平の原則に明らかに反する場合には、その全部または一部を返還しなければならない。
第七章 商標管理
第五十四条 商標登録出願人が次に掲げる悪意ある商標登録出願行為のいずれかを行い、悪影響を生じさせた場合には、商標法執行を担当する部門が警告を与え、十万元以下の罰金を併科することができる。
(一)標識が本法第十五条 または第十六条 第一項の規定に違反することを知りながら、なお商標として登録出願する行為
(二)本法第十九条 の規定に違反して商標登録を出願する行為
(三)故意に本法第二十一条 、第二十二条 または第二十四条 の規定に違反して商標登録を出願する行為
第五十五条 商標登録人は、自ら商標を使用することができるほか、商標使用許諾契約を締結することにより、他人にその登録商標の使用を許諾することができる。許諾者は、被許諾者が当該登録商標を使用する商品の品質を監督しなければならない。被許諾者は、当該登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。被許諾者が品質保証義務を履行しない場合、許諾者は、商標使用許諾契約を解除することができる。他人の登録商標の使用許諾を受けた場合には、当該登録商標を使用する商品に、被許諾者の名称および商品の産地を表示しなければならない。
登録商標の使用を他人に許諾した場合、許諾者は、その商標使用許諾を国務院商標管理部門に届け出なければならず、国務院商標管理部門はこれを公告する。商標使用許諾は、届出をしなければ、善意の第三者に対抗することができない。
第五十六条 公衆を誤認させる方法で登録商標を使用した場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命ずる。違法経営額が五万元以上である場合には、違法経営額の五倍以下の罰金を科すことができる。違法経営額がない場合または違法経営額が五万元未満である場合には、二十五万元以下の罰金を科すことができる。期限を過ぎても是正しない場合には、国務院商標管理部門がその登録商標を取り消す。
第五十七条 商標登録人が、登録商標を使用する過程において、登録商標、登録人の名称、住所その他の登録事項を自ら変更した場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命ずる。期限を過ぎても是正しない場合には、五万元以下の罰金を科す。情状が重大である場合には、国務院商標管理部門がその登録商標を取り消す。
登録商標が、指定商品についての普通名称となった場合、または正当な理由なく継続して三年間使用されていない場合には、いかなる組織または個人も、国務院商標管理部門に当該登録商標の取消しを請求することができる。国務院商標管理部門は、請求を受けた日から九か月以内に決定をしなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、三か月延長することができる。
登録商標に前項に定める事由がある場合、国務院商標管理部門は、当該登録商標を取り消すことができる。具体的な方法は、国務院商標管理部門が定める。
第五十八条 国務院商標管理部門による登録商標の取消決定または取消しをしない決定について、当事者が不服である場合には、通知を受けた日から十五日以内に、国務院商標管理部門に再審査を申請することができる。国務院商標管理部門は、申請を受けた日から九か月以内に決定をし、当事者に書面で通知しなければならない。特別な事情により期間の延長が必要な場合には、国務院商標管理部門の責任者の承認を得て、三か月延長することができる。当事者は、再審査決定に不服がある場合には、通知を受けた日から三十日以内に人民法院へ提訴することができる。
第五十九条 法定期間が満了し、当事者が国務院商標管理部門による登録商標の取消決定について再審査を申請せず、または再審査決定について人民法院へ提訴しなかった場合には、登録商標の取消決定または再審査決定は効力を生ずる。
取り消された登録商標については、国務院商標管理部門がその旨を公告し、当該登録商標専用権は公告の日から消滅する。
第六十条 団体商標または証明商標の登録人が、次に掲げる行為のいずれかを行った場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命ずる。
期限を過ぎても是正しない場合には、一万元以下の罰金を科す。情状が重大である場合には、一万元以上十万元以下の罰金を科す。
(一)商標管理上の職責の遂行を怠り、消費者に損害を与えた行為
(二)団体商標の登録人が、正当な理由なく、その組織の構成員による団体商標の使用を認めず、または証明商標の登録人が、正当な理由なく、条件を満たす申請人による証明商標の使用を許諾しない行為
(三)本法、関係行政法規または国の関係規定に違反して登録商標専用権を行使し、悪影響を生じさせた行為
第六十一条 本法第八条の規定に違反した場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて登録出願を命ずる。違法経営額が五万元以上である場合には、違法経営額の百分の二十以下の罰金を科すことができる。違法経営額がない場合または違法経営額が五万元未満である場合には、一万元以下の罰金を科すことができる。
第六十二条 未登録商標を登録商標であるかのように使用した場合、または未登録商標の使用が本法第十五条もしくは第十六条第一項の規定に違反する場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命ずる。違法経営額が五万元以上である場合には、違法経営額の百分の二十以下の罰金を科すことができる。違法経営額がない場合または違法経営額が五万元未満である場合には、一万元以下の罰金を科すことができる。
第六十三条 関連する公衆に広く知られている商標について、その権利者が自己の権利を侵害されたと認める場合には、本法の規定に従い、著名商標としての保護を請求することができる。
商標登録の審査・審理、商標違法事件の取締り、または不正競争事件の取締りの過程において、当事者が法に基づいて権利を主張した場合には、国務院商標管理部門は、事件処理上の必要に応じて、当該商標が著名であるか否かについて認定することができる。
商標民事事件、商標行政事件または不正競争事件の審理過程において、当事者が法に基づいて権利を主張した場合には、最高人民法院が指定する人民法院は、事件審理上の必要に応じて、当該商標が著名であるか否かについて認定することができる。
商標が著名であるか否かは、当事者の請求に基づき、商標事件の処理において認定を要する事実として確認しなければならない。商標の著名性を認定するにあたっては、次に掲げる要素を総合的に考慮しなければならない。
(一)関連する公衆における当該商標の認知度
(二)当該商標の使用期間、使用方法および使用地域の範囲
(三)当該商標に関する宣伝活動の期間、程度および地域的範囲
(四)当該商標が保護を受けた記録、特に著名商標として保護を受けた記録
(五)その他、当該商標の著名性に関する要素
第六十四条 生産者および事業者は、「著名商標」の文字を、商品、商品の包装もしくは容器に使用し、または広告宣伝、展示その他の商業活動に使用してはならない。
前項の規定に違反した場合には、商標法執行を担当する部門が是正を命じ、十万元以下の罰金を科す。
第六十五条 商標代理機構と商標代理従業員は誠実性の原則に従い、法律、行政法規を遵守し、職業道徳、職業規律を厳守し、勤勉に責任を果たす義務を履行し、委託人の合法的権益を維持し、委託人が国家利益、社会公共利益または他人の合法的権益を損なう行為を実施または支援してはならない。
商標代理機構は委託人の委託に従って商標登録申請又はその他の商標事項を処理しなければならない。代理過程で知った委託人の商業秘密に対して、秘密保持義務を負う、委託人が登録を申請した商標に本法の規定により登録してはならない状況が存在する可能性がある場合、商標代理機構は委託人に明確に通知しなければならない。
商標代理従業員は商標代理機構の割り当てに基づいて商標代理業務を引き受けなければならず、自ら委託を受けてはならない。商標代理店従業員は、同時に2つ以上の商標代理店で商標代理店業務に従事してはならない。商標代理店従業員は、その署名による商標代理店業務に責任を負う。
商標代理機構は、本機構及びその商標代理従業員の関連情報を国務院商標管理部門に報告し、登録しなければならない。各級の商標管理業務、商標法執行を担当する部門は、商標代理機構、商標代理従業員の管理を強化しなければならない。
第六十六条 商標代理業界団体は、商標代理業界の自主規制組織である。
商標代理業界団体は、規約の定めに従い、会員の加入条件を厳格に運用し、業界の自主規制を強化し、自主規制規範および懲戒規則を制定しなければならない。また、業務研修、職業倫理および業務規律に関する教育を実施し、会員が法令および規則に従って商標代理業務を行うよう組織し、導き、業界のサービス水準を継続的に向上させ、自主規制規範に違反した会員に対して懲戒を行わなければならない。商標代理業界団体は、会員の加入および懲戒の状況を、速やかに社会へ公表しなければならない。
第六十七条 商標代理機関が次に掲げる行為のいずれかを行った場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命じ、一万元以上十万元以下の罰金を科す。情状が重大である場合には、十万元以上二十万元以下の罰金を科す。直接責任を負う主管者およびその他の直接責任者には警告を与え、五千元以上五万元以下の罰金を科す。情状が重大である場合には、さらに五万元以上十万元以下の罰金を科す。
(一)商標事務の処理過程において、法律文書、印章もしくは署名を偽造もしくは変造し、または偽造もしくは変造された法律文書、印章もしくは署名を使用する行為
(二)詐欺、欺罔または他の商標代理機関を誹謗するなどの手段により、商標代理業務を勧誘する行為
(三)同一の商標事件において、利益相反関係にある双方の当事者から委託を受ける行為
(四)依頼人が登録出願する商標が、本法第十五条、第十六条第一項、第十九条、第二十一条、第二十二条または第二十四条に定める事由に該当することを知り、または知るべきでありながら、その委託を受ける行為
(五)本法第二十五条の規定に違反し、または本法第五十四条に定める事由に該当する行為
(六)その他の不正な手段により商標代理市場の秩序を乱す行為
商標代理機関に前項に定める行為があり、情状が重大である場合には、国務院商標管理部門は、当該商標代理機関が取り扱う商標代理業務の受理を停止する決定をし、その旨を公告することができる。
商標代理機関が法に基づく届出をしていない場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命ずる。期限を過ぎても是正しない場合には、一万元以上五万元以下の罰金を科す。
商標代理機関が誠実信用の原則に違反し、善良な管理者としての注意義務を履行せず、依頼人の合法的利益を侵害した場合には、法に基づいて民事責任を負い、商標代理業界団体から規約に基づく懲戒を受ける。
第六十八条 商標代理業務従事者が次に掲げる行為のいずれかを行った場合には、商標法執行を担当する部門が期限を定めて是正を命じ、警告を与え、五千元以上五万元以下の罰金を科す。
情状が重大である場合には、さらに五万元以上十万元以下の罰金を科す。
(一)自ら依頼を受けて商標代理業務を行う行為
(二)同時に二以上の商標代理機関において商標代理業務に従事する行為
(三)その他、商標代理市場の秩序を著しく乱す行為
第六十九条 国外における商標登録の審査・審理または商標事件の処理過程において、当該商標が中国国内で関連する公衆に広く知られていることを証明する必要がある場合には、当事者の請求に基づき、国務院商標管理部門は、本法第六十三条の規定に従って当該商標の著名性を認定することができる。
詐欺その他の不正な手段により、中国国内の依頼人のために国外での商標登録出願その他の商標事務を処理し、依頼人の利益、国家利益、社会公共の利益または他人の合法的権益を害した場合には、本法第六十七条の規定に従って処理し、処罰する。
第七十条 公衆を誤認させる方法による登録商標の使用、登録商標専用権の侵害その他の違法行為について、いかなる組織または個人も、商標管理または商標法執行を担当する部門に苦情を申し立て、または通報する権利を有する。
第八章 登録商標専用権の保護
第七十一条 登録商標専用権の範囲は、登録を認められた商標および指定商品に限られる。
第七十二条 次に掲げる行為は、いずれも登録商標専用権の侵害に該当する。
(一)商標登録人の許諾を得ずに、同一の商品について、その登録商標と同一の商標を使用する行為
(二)商標登録人の許諾を得ずに、同一の商品についてその登録商標と類似する商標を使用し、または類似の商品についてその登録商標と同一もしくは類似する商標を使用し、混同を生じさせるおそれがある行為
(三)登録商標専用権を侵害する商品を販売する行為
(四)他人の登録商標の標識を偽造し、無断で製造し、または偽造もしくは無断で製造された登録商標の標識を販売する行為
(五)商標登録人の同意を得ずにその登録商標を付け替え、当該商標を付け替えた商品を再び市場に投入する行為
(六)他人の登録商標専用権を侵害する行為のために、故意に便宜を供与し、他人による登録商標専用権の侵害を幇助する行為
(七)その他、他人の登録商標専用権に損害を与える行為
第七十三条 登録商標に、当該商品の普通名称、図形もしくは型式、または商品の種類、性質、品質、主要原料、機能、用途、重量、数量、価値、地理的出所その他の特徴を直接表示するもの、もしくは地名が含まれている場合、登録商標専用権者は、他人による正当な使用を禁止する権利を有しない。
立体標識、色彩の組合せ、音、動的標識その他の登録商標に、商品の性質そのものから生じる形状、色彩の組合せ、音もしくは動的効果、技術的効果を得るために必要な形状、色彩の組合せ、音もしくは動的効果、または商品に実質的価値を与える形状、色彩の組合せ、音もしくは動的効果その他が含まれている場合、登録商標専用権者は、他人による正当な使用を禁止する権利を有しない。
提供する商品の用途、適用対象、使用場面その他の情報を示すため、または真正な出所を表示するためにのみ、関係する登録商標を使用する場合、登録商標専用権者は、他人による正当な使用を禁止する権利を有しない。ただし、混同を生じさせるおそれがある場合を除く。
商標登録人が商標登録を出願する前に、他人が同一または類似の商品について、商標登録人に先立って、登録商標と同一または類似し、かつ一定の影響力を有する商標をすでに使用していた場合、登録商標専用権者は、当該使用者が従来の使用範囲内で当該商標を引き続き使用することを禁止する権利を有しない。ただし、適切な識別表示を付加するよう求めることができる。
第七十四条 本法第七十二条に掲げる登録商標専用権の侵害行為のいずれかにより紛争が生じた場合には、当事者間の協議により解決する。協議を望まない場合、または協議が成立しない場合には、商標登録人または利害関係人は、人民法院に提訴し、または商標法執行を担当する部門に処理を請求することができる。
商標法執行を担当する部門が処理する場合において、侵害行為が成立すると認定したときは、直ちに侵害行為の停止を命じ、侵害商品ならびに侵害商品の製造または登録商標標識の偽造に主として使用された工具を没収する。違法経営額が五万元以上である場合には、違法経営額の五倍以下の罰金を併科することができる。違法経営額がない場合、または違法経営額が五万元未満である場合には、二十五万元以下の罰金を併科することができる。五年以内に二回以上商標権侵害行為を行った場合、またはその他の重大な情状がある場合には、厳重に処罰しなければならない。登録商標専用権を侵害する商品であることを知らずに販売し、当該商品を適法に取得したことを証明し、かつ提供者を明らかにすることができる場合には、商標法執行を担当する部門は販売の停止を命ずる。
登録商標専用権の侵害に係る損害賠償額について争いがある場合、当事者は、商標法執行を担当する部門に調停を請求し、または「中華人民共和国民事訴訟法」に基づき人民法院に提訴することができる。商標法執行を担当する部門による調停を経ても当事者間で合意に至らなかった場合、または調停書が効力を生じた後に履行されない場合には、当事者は、「中華人民共和国民事訴訟法」に基づき人民法院に提訴することができる。
第七十五条 登録商標専用権を侵害する行為について、商標法執行を担当する部門は、法に基づいて取り締まり、処理する権限を有する。
登録商標専用権の侵害について犯罪の疑いがある場合には、商標法執行を担当する部門は、速やかに公安機関へ移送し、法に基づく処理を求めなければならない。法に基づき刑事責任を追及する必要がない場合、または刑事処罰を免除すべき場合であって、行政処罰を科すべきときは、公安機関、人民検察院または人民法院は、速やかに事件を商標法執行を担当する部門へ移送し、法に基づく処理を求めなければならない。公安機関、人民検察院または人民法院が、商標法執行を担当する部門および商標登録・管理を担当する部門に対し、専門的支援、認定意見、侵害物品の無害化処理その他の協力を求めた場合には、関係部門は速やかに協力しなければならない。
第七十六条 商標法執行を担当する部門は、すでに取得した違法の疑いを示す証拠、または苦情・通報に基づき、他人の登録商標専用権を侵害した疑いのある行為を取り締まり、調査する場合、次に掲げる権限を行使することができる。
(一)関係当事者に質問し、他人の登録商標専用権の侵害に関する状況を調査すること
(二)当事者の侵害行為に関係する契約書、インボイス、帳簿、伝票、文書、記録、業務上の通信文書、視聴覚資料、電子データその他の関係資料を閲覧し、複製すること
(三)当事者が他人の登録商標専用権を侵害する活動を行っている疑いのある場所について、立入検査を実施すること
(四)侵害行為に関係する物品を検査すること、および他人の登録商標専用権を侵害する物品であることを示す証拠がある場合には、当該物品を封印し、または差し押さえること
(五)証拠が滅失するおそれがある場合、または後に取得することが困難となるおそれがある場合には、あらかじめ登録して保存すること
商標法執行を担当する部門が、法に基づいて前項に定める権限を行使する場合、当事者はこれに協力しなければならず、拒否し、または妨害してはならない。
商標権侵害事件の取締り過程において、商標権の帰属に争いがある場合、または権利者が同時に人民法院へ商標権侵害訴訟を提起した場合には、商標法執行を担当する部門は、事件の調査・処理を中止することができる。中止事由が消滅した後は、事件の調査・処理手続を再開し、または終結しなければならない。
第七十七条 登録商標専用権の侵害に対する損害賠償額は、権利者が侵害により被った実際の損失、または侵害者が侵害により得た利益に基づいて定める。権利者の損失または侵害者の得た利益を確定することが困難である場合には、当該商標の使用許諾料の倍数を参照して合理的に定める。
登録商標専用権を故意に侵害し、情状が重大である場合には、前記の方法により算定した額の一倍以上五倍以下の範囲で、損害賠償額を定めることができる。
人民法院は、損害賠償額を確定するため、権利者が証拠提出に最大限努めたにもかかわらず、侵害行為に関する帳簿および資料を主として侵害者が保有している場合には、侵害者に対し、侵害行為に関する帳簿および資料の提出を命ずることができる。侵害者がこれを提出せず、または虚偽の帳簿もしくは資料を提出した場合には、人民法院は、権利者の主張および提出された証拠を参照して損害賠償額を判断することができる。
権利者が侵害により被った実際の損失、侵害者が侵害により得た利益、および登録商標の使用許諾料を確定することが困難である場合には、人民法院は、侵害行為の情状に基づき、五百万元以下の損害賠償を命ずる。
損害賠償額には、権利者が侵害行為を停止させるために支出した合理的費用も含まれなければならない。
人民法院は、商標紛争事件を審理する場合、権利者の請求に基づき、登録商標を偽造した商品については、特別な事情がある場合を除き、廃棄を命ずる。登録商標を偽造した商品の製造に主として使用された材料および工具については、補償を行うことなく廃棄を命ずる。また、特別な事情がある場合には、補償を行うことなく、当該材料および工具が商業流通経路に入ることを禁止するよう命ずる。
登録商標を偽造した商品は、偽造された登録商標のみを除去した上で商業流通経路に入れてはならない。
第七十八条 登録商標専用権者が損害賠償を請求し、侵害を主張された者が、登録商標専用権者が当該登録商標を使用していないことを抗弁として主張した場合には、人民法院は、登録商標専用権者に対し、侵害行為発生前の三年間に当該登録商標を実際に使用していたことを示す証拠の提出を求めることができる。登録商標専用権者が、従前の三年間に当該登録商標を実際に使用していたことを証明できず、かつ侵害行為によりその他の損失を被ったことも証明できない場合には、侵害を主張された者は損害賠償責任を負わない。
登録商標専用権を侵害する商品であることを知らずに販売し、当該商品を適法に取得したことを証明し、かつ提供者を明らかにすることができる場合には、損害賠償責任を負わない。
第七十九条 商標登録人または利害関係人が、他人がその登録商標専用権を侵害する行為を現に行っていること、または間もなく行おうとしていることを示す証拠を有し、速やかに制止しなければその合法的権益に回復困難な損害が生じるおそれがある場合には、法に基づき、提訴前に人民法院に対し、関係行為の停止命令および財産保全措置を申請することができる。
第八十条 侵害行為を制止するため、証拠が滅失するおそれがある場合、または後に取得することが困難となるおそれがある場合には、商標登録人または利害関係人は、法に基づき、提訴前に人民法院に対して証拠保全を申請することができる。
第八十一条 悪意ある共謀、一方的な基本的事実の捏造その他の方法により商標訴訟を提起した場合には、人民法院が法に基づいて処罰する。
相手方当事者に損失を与えた場合には、法に基づいて民事責任を負わなければならない。
第八十二条 商標登録、管理および法執行等の業務に従事する公職者は、公正に法を執行し、廉潔かつ自律的であり、職責に忠実で、礼節あるサービスを行わなければならない。
商標登録・管理を担当する部門、商標法執行を担当する部門、および商標登録・管理・法執行等の業務に従事する公職者は、商標代理業務ならびに商品の生産および事業活動に従事してはならない。
第八十三条 商標登録・管理を担当する部門および商標法執行を担当する部門は、内部監督制度を整備し、商標登録・管理・法執行等の業務に従事する公職者による法律および行政法規の執行状況ならびに規律の遵守状況について、監督・検査を行わなければならない。
第八十四条 商標登録、管理および法執行等の業務に従事する公職者が、本法の規定に違反して商標代理業務もしくは商品の生産・事業活動に従事し、または職権を濫用し、職務を怠り、もしくは私情により不正を行い、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、法に基づいて処分を科す。
(一)商標登録の要件を満たさないにもかかわらず登録を認め、悪影響を生じさせた場合
(二)法に基づき是正命令または行政処罰等の決定を行うべきであるにもかかわらず、これを行わなかった場合
(三)違法行為を発見し、または苦情・通報を受けたにもかかわらず、法に基づいて商標管理または法執行上の職責を履行しなかった場合
(四)その他、法に基づいて処分を科すべき行為
第八十五条 本法の規定に違反し、犯罪を構成する場合には、法に基づいて刑事責任を追及する。
第九章 附則
第八十六条 商標登録を出願し、またはその他の商標事務を行う場合には、手数料を納付しなければならない。具体的な手数料基準は、別に定める。
第八十七条 本法は、2027年1月1日から施行する。
本法の施行前にすでに登録された商標は、引き続き有効とする。
(中国語原文)
http://www.npc.gov.cn/npc/c2/c30834/202606/t20260626_455832.html
