200913_納税信用管理の関連事項に関する公告及び解説(日本語試訳)

この日本語試訳は中国語文献理解の補助とするために無償で公開しているものです。厳密な解釈・理解は、必ず中国語原文を確認願います。

国家税務総局による納税信用管理の関連事項に関する公告
(本文及び解説)

国家税務総局2020年9月13日

納税信用管理の関連事項に関する公告
国家税務総局公告 2020年第15号

国務院の「放管服」改革精神を深く貫き、税収とビジネスの環境を改善し、納税信用体系を完備するために、「中華人民共和国税収徴収管理法実施細則」 及び「国務院の社会信用体系構築計画要綱(2014~2020年)に関する通知」(国発[2014]21 号) に基づき、納税信用管理の関連事項に関して以下の内容を公告する。

一、非独立採算分支機構は納税信用評価に参加するか否かを自己意思で決定する。本公告でいう非独立採算分支機構とは、企業納税者により設立され、税務機関にて登録情報の確認が完了し、かつ計算方法が非独立採算である分支機構をいう。
非独立採算分支機構は審査を受けた後、2019年度より前の納税信用レベルを再び評価されることはなく、機構の存続期間において、国家税務総局の納税信用管理の関連規定が適用される。

二、2020年度評価を開始する際に、納税信用評価における採点方法のうち採点規則が調整される。直近三評価年度において、非経常的指標情報が存在する場合には100点から評価し、非経常的指標情報がない場合には90点から評価する。

三、2019年度評価を開始する際に、D級納税者に対する税務機関の信用管理措置が調整される。評価指標でD級と評価された納税者について、翌年では直接D級を保留する評価から評価時に11ポイントを追加マイナスすることに調整する。税務機関は本条の前述した規定に従い2020年11月30日までに2019年度納税信用レベルを調整し、2019年度より前の納税信用レベルにつき遡及調整しない。直接格付けでD級と評価された納税者について、D 級評価は 2 年間保留され、3 年目の納税信用をA 級に評価してはならない。

四、納税者が指標評価の状況に異議がある場合、評価年度の翌年3月に「納税信用再評価(確認)申請表」を記入し、主管税務機関に再確認を要請することができる。主管税務機関は年度評価時に再確認し調整し、かつ評価結果に従い納税者に対して再確認の状況確認の自己照会サービスを提供することができる。

五、本公告は2020年11月1日から施行する。「納税信用管理弁法(試行)」(国家税務総局2014年第40号公告)の第15条第2項、第32条第7項、「国家税務総局の納税信用管理の若干業務基準の明確に関する公告」(2015年第85号、2018年第31号にて改正)第3条第1項、第7条第1項、「国家税務総局の納税信用の追加評価と再評価事項の明確に関する公告」(2015年第46号、2018年第31号にて改正)に添付されている「納税信用再評価申請書」は同時に廃止される。

国家税務総局
2020年9月13日

解説

「国家税務総局の納税信用管理の関連事項に関する公告」の解説

国務院の「放管服」改革精神を深く貫き、税収とビジネスの環境を改善し、納税信用体系を完備するために、「中華人民共和国税収徴収管理法実施細則」 及び「国務院の社会信用体系構築計画要綱(2014~2020年)に関する通知」(国発[2014]21 号、以下「計画要綱」) に基づき、国家税務総局が「納税信用管理の関連事項に関する内容」(以下「公告」)を公布しました。「公告」の主な内容を以下の通り解説します。

一、「公告」が公布された背景
2014年以来、「計画要綱」の要求により、国家税務総局は相次いで一連の納税信用管理における規範となる文書を公布し、情報収集、レベル評価、動的調整、結果応用、異議処理、信用修復等のプロセスをカバーする比較的完備した納税信用制度体系を形成しました。税務部門は評価指標体系に基づき毎年、納税者の納税信用状況を評価し、異なる信用レベルの納税者に対して異なるサービスと管理を実施します。納税信用体系をさらに完備させるために、サービスの取り組みを最適化し、過年度の納税信用評価状況と納税者の意見提案と結びつけ、繰り返し調査し論証した結果、国家税務総局は「公告」を制定し、「2つの増加、2つの調整」の完備措置を打ち出しました。すなわち、自主的意思で非独立採算分支機構の納税信用評価への参加を増加させること、納税信用評価前の指標再確認制度を増加させること、そして、納税者の合理的な要求を満足させるため、納税信用評価開始点数の適用ルールを調整すること、D級評価の2年間保留措置を調整すること、関連基準を適切に緩和します。以上の措置を通じ、納税者の信用資産の蓄積を助け、税法の遵守を促進し、ビジネス環境を最適化します。

二、非独立採算分支機構が自主的意思で納税信用評価に参加することについて
非独立採算分支機構は独立採算企業の一つの部門として、これまで独立した納税主体として納税信用評価に関与していませんでした。納税信用評価結果の適用範囲が広くなるにつれ、一部の非独立採算分支機構は納税信用評価レベルを取得しようとする要望が強まった。「放管服」の改革精神を深く貫き、納税者の訴えに積極的に応えるため、「公告」は非独立採算分支機構が自身の状況に基づき、自主的意思で納税信用評価に参加できることを明確にしています。
具体的には、非独立採算分支機構は主管税務機関に「納税信用追加評価申請書」(「国家税務総局の納税信用の追加評価と再評価事項の明確化に関する公告」(2015年第46号添付))を提出することにより、自主的意思で納税信用評価に参加することができます。納税信用評価の連続性を維持するために、社会における関連主体が納税信用評価結果を用いる信頼性を保障し、非独立採算分支機構が納税信用評価に関与した後、その存続期間において、他の正常な評価企業と同様に、納税信用管理関連規定を適用されます。

三、納税信用評価の評価開始点数ルールの調整について
従来の納税信用評価の採点方法は、一評価年度内に、経常的指標と非経常的指標の情報がそろっている場合、100点から評価し、非経常的指標が欠けている場合、90点から評価することとを定めていました。非経常的指標の欠如とは、一評価年度内において、納税者に、税務機関による納税評価、大企業税務監査、租税回避調査或いは税務査察等の記録がない場合を指しています。納税者をA級、B級に評価できる確率を高めるために、「公告」では、一評価年度内に税務機関による関連検査を受けた場合100点から評価することから、直近三評価年度内に税務機関による関連検査を受けた場合、100点から評価することになります。これにより、100点から評価される企業の数を大幅に増加させることになります。この規則は2020年度評価から適用され、過年度に行われた評価結果には遡及調整しません。

四、納税信用D級の保留ルールの調整について
税務機関は、信用があることを積極的に奨励し、信用の喪失を懲戒する原則をもとに、異なる信用レベルの納税者に対して異なるサービスと管理を実施します。その中で、D級納税者に対して、税務機関が取るべき措置の中には、D級評価の2年間保留、3年目でA級と評価されないことを含みます。市場主体の活力をよりよく保護し、刺激させるために、「公告」ではD級評価の2年間保留の信用管理措置を緩和しました。年間指標得点が40点未満でD級と評価された納税者に対して、翌年では直接D級を保留する評価から評価時に11ポイントを追加マイナスすることに調整されます。直接格付けでD級と評価された納税者について、D 級評価は 2 年間保留され、3 年目の納税信用はA 級に評価してはなりません。直接格付けとは、「納税信用管理弁法(試行)」(国家税務総局公告2014年第40号)第20条に列挙された深刻な信用喪失行為が発生し、D級と直接格付けされる場合を指します。
上述した調整に従い、1年目では指標得点が低く、D級に評価された企業が、翌年に状況改善を遵守する場合、納税信用D級ではなくなります。「2年間D級保留」の代わりに、ある程度の「減点」は、信用喪失懲戒の原則を貫きつつ、納税者が自分の信用状況を積極的に改善するよう積極的に奨励する助けとなります。企業における納税信用状況の早期改善をサポートするため、2019年度評価ではD級保留とされる企業に対して、各省税務機関は2020年11月末までに、2019年度の納税信用レベルを主動的に調整し、過年度に評価された納税信用レベルに遡及調整せず、2020年度及び以降の年度評価においては、本公告が直接適用されます。

五、指標評価状況の再確認について
納税サービスの最適化のために、納税信用評価結果の再評価の基礎を提供した上、「公告」では納税信用指標の評価状況の再確認制度を追加しました。すなわち、納税信用評価結果の発表前に、納税者が指標評価に異議があった場合、評価年度の翌年3月に「納税信用再評価(確認)申請書」を記入し、主管税務機関に再確認の申請を提出することができます。主管税務機関が、4月に評価結果を確定する際に、合わせて確認し調整し、かつ評価結果に従い納税者に対して再確認の状況確認の自己照会サービスを提供することができます。

出典:国家税務総局
(中国語原文)
https://mp.weixin.qq.com/s/O6F1KbIYN35BYb3HF23itQ