210109_外国の法律及び措置による不当な域外適用を遮断する弁法(日本語試訳)

この日本語試訳は中国語文献理解の補助とするために無償で公開しているものです。厳密な解釈・理解は、必ず中国語原文を確認願います。

中華人民共和国商務部令
二〇二一年第一号

「外国の法律及び措置による不当な域外適用を遮断する弁法」はすでに国務院が承認し、公布され、公布の日から施行する。

部長 王文涛
2021年1月9日

外国の法律及び措置による不当な域外適用を遮断する弁法

第一条 外国の法律及び措置の不当な域外適用による中国に対する影響を遮断するため、国家主権、安全、発展利益を維持し、中国公民、法人又はその他組織の合法的権益を保護するため、「中華人民共和国国家安全法」等の関連法律に基づき、本弁法を制定する。

第二条 この弁法は外国の法律及び措置が域外に適用され、国際法及び国際関係基本準則に違反し、中国公民、法人或いはその他の組織と第三国(地域)及びその公民、法人或いはその他の組織と正常な経済貿易及び関連活動を不当に禁止或いは制限する状況に適用する。

第三条 中国政府は独立自主の対外政策を堅持し、主権の相互尊重、内政不干渉及び平等互恵等の国際関係基本準則を堅持し、締結された国際条約、協定を遵守し、負担する国際義務を履行する。

第四条 国は、中央国家機関の関係部門が参加する業務機構(以下、「業務機構」という)を設立し、外国の法律及び措置による不当な域外適用に対応する業務を担当する。業務機構は国務院商務主管部門が推進し、具体的な事項は国務院商務主管部門、発展改革部門がその他の関連部門と責任を負う。

第五条 中国公民、法人或いはその他の組織が、その第三国(地域)及びその公民、法人或いはその他の組織と正常な経済貿易及び関連活動を、外国の法律及び措置が禁止或いは制限する状況に遭遇した場合、30日以内に国務院商務主管部門に事実に忠実に関連する状況を報告しなければならない。報告者が秘密保持を要求する場合、国務院商務主管部門及びその業務職員はその秘密を保持しなければならない。

第六条 外国の法律及び措置による不当な域外適用状況があるか否かは、以下の要素を評価・確認し、業務機構が総合的に検討する。
(一)国際法及び国際関係基本準則に違反しているか否か
(二)中国国家主権、安全、発展利益に対して発生しうる影響
(三)中国公民、法人或いはその他の組織の合法的権益に対して発生しうる影響
(四)その他考慮すべき要素

第七条 業務機構の評価を経て、関連する外国の法律及び措置による不当な域外適用状況があることが確認された場合、国務院商務主管部門が承認できず、執行できず、遵守できないことに関連する外国の法律及び措置に関する禁止令(以下、禁止令)を決定することができる。
業務機構は実際の状況によって、決定を中止或いは禁止を取り消すことができる。

第八条 中国公民、法人或いはその他の組織は、国務院商務主管部門に対し、禁止令の免除を申請することができる。
禁止令遵守の免除を申請する場合、申請者は国務院商務主管部門に書面申請を提出しなければならず、書面申請には免除申請の理由及び免除申請の範囲等の内容を含めなければならない。国務院商務主管部門は申請を受理した日から30日以内に承認するか否かの決定をしなければならない。

第九条 当事者が禁止令の範囲内の外国の法律及び措置を遵守することにより、中国公民、法人或いはその他の組織の合法的権益を侵害した場合、中国公民、法人或いはその他の組織は法に基づき人民法院に訴訟を提起し、当該当事者に損害賠償を要求することができる。但し、当事者は本弁法第八条の規定に従い免除を取得している場合を除く。
禁止令の範囲内の外国の法律による判決、裁定によって中国国民、法人或いはその他の組織が損害を受けた場合、中国公民、法人或いはその他の組織は法に基づき人民法院に訴訟を提起し、この判決、裁定において利益を得た当事者に損害賠償を求めることができる。
本条第一項、第二項の規定の当事者が人民法院の発効させた判決、裁定の履行を拒絶した場合、中国公民、法人或いはその他の組織は法に基づき人民法院に強制執行を申請することができる。

第十条 業務機構の組織構成員は各自の職責に従い、中国公民、法人或いはその他の組織のために外国の法律及び措置の不当な域外適用に対する指導及びサービスを提供しなければならない。

第十一条 中国公民、法人或いはその他の組織が禁止令に基づき、関連する外国の法律及び措置を遵守しないことにより、重大な損失を受けた場合、政府の関係部門は、具体的な状況に基づいて必要な支援を与えることができる。

第十二条 外国の法律及び措置は域外に適用されず、中国政府は実際の状況と必要に応じて、必要な対抗措置を講じることができる。

第十三条 中国公民、法人或いはその他の組織が規定に従い事実に忠実に状況を報告していない或いは禁止令を遵守しない場合、国務院商務主管部門は警告を与え、期限を定めて是正するよう命じることができ、情状の軽重によって罰金を科すことができる。

第十四条 国務院商務主管部門の業務職員は規定に従って中国公民、法人或いはその他組織の秘密保持に関連する状況を報告しない場合、法に基づき処分を与える。犯罪を構成する場合、法に基づき刑事責任を追及する。

第十五条 中華人民共和国が締結或いは参加する国際条約、協定に定める外国の法律及び措置の域外適用の場合には、この弁法を適用しない。

第十六条 この弁法は公布の日から施行する。

(中国語原文)
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/c/202101/20210103029710.shtml