この日本語試訳は中国語文献理解の補助とするために無償で公開しているものです。厳密な解釈・理解は、必ず中国語原文を確認願います。
「国家税務総局のユニラテラル事前確認適用簡易手続に関する公告(意見募集稿)」の公開意見募集
“放管服”改革を深化させるために、納税事業者の環境を最適化し、クロスボーダー経営企業の課税の確実性を高め、今年度の民間税春風行動計画に基づき、当局は「国家税務総局のユニラテラル事前確認(以下「ユニラテラルAPA」)適用簡易手続に関する公告(意見募集稿)」を起草した。社会に公開して意見を求める。2021年4月18日までに以下のルートと方法を通じて意見を出すことができる。
1.国家税務総局のウェブサイト(URLは:http://www.chinanax.gov.cn)のトップページの意見募集システムから意見を出す。
2.封書による意見提出の場合は、北京市海淀区羊坊店西路5号国家税務総局国際税務司(郵便番号10038)まで。封筒に「国家税務総局のユニラテラルAPA適用簡易手続に関する公告(意見募集)」と明記されたい。
国家税務総局
2021年3月19日
国家税務総局のユニラテラルAPA適用簡易手続に関する公告(意見募集稿)
税収分野の「放管服」の改革を深化させるために、ビジネス環境を最適化し、納税企業の協力を促進し、企業の課税の確実性を高め、確実に納税者、納付者のために事実に基づき、「中華人民共和国企業所得税法」及びその実施条例、「中華人民共和国税収徴収管理法」及びその実施細則の関連規定に基づき、ユニラテラルAPA適用簡易手続に関して以下の通り公告する。
一、企業は「国家税務総局の事前確認の整備に関する管理事項に関する公告」(2016年第64号、以下「64号公告」)の関連規定に基づき、ユニラテラルAPA手配を申請し、本公告の要求に合致する場合、簡易手続を適用することができる。
二、簡易手続には、申請評価、協議署名及びモニタリングの三段階が含まれる。
三、主管税務機関が申請を受理する「税務事項通知書」の日が属する納税年度前三カ年に、毎年発生する関連取引金額が4000万元以上で、下記の条件の一つに該当する企業は、簡易手続の適用を申請することができる。
(一)簡易手続の適用を申請する少なくとも3ヶ月前に、税務機関に「国家税務総局の関連申告と同期資料管理に関する事項に関する公告」(2016年第42号)に規定された直近の納税年度三カ年の同期資料のローカルファイル(マスターファイルを準備すべき条件に合致する場合、マスターファイルも提供すべきである)を提供している。
(二)直近の納税年度10カ年以内に事前確認を実行しており、実行結果が設定要求に適合している。
(三)直近の納税年度10カ年以内に税務機関の特別納税調査を受けて調整し、かつ結審している。
四、企業は主管税務機関に簡易手続の適用申請を提出せねばならず、主管税務機関が分析評価後、受理するかどうかを決定する。
(一)企業は申請の意向がある場合、主管税務機関に「ユニラテラルAPA適用簡易手続申請書」(別添1)を提出し、申請報告を添付しなければならない。申請報告には以下の内容を含む。(既に提出している資料は、重複して提出する必要はない)
1.ユニラテラルAPAに関する関連当事者及び関連取引
2.ユニラテラルAPAの適用年度
3.ユニラテラルAPAは過去の年度に遡及するか否か
4.企業及びその属する企業集団の組織構造と管理構造
5.企業の最近の納税年度三から五か年の生産経営状況、財務会計報告、監査報告、同期資料等
6.ユニラテラルAPAに関する各関連者の機能とリスクの説明及び、機能とリスク区分の根拠となる機構、人員、費用、資産等を含む
7.ユニラテラルAPAで使用する価格設定原則と計算方法、価格または利益水準で比較でき、またこの価格設定原則及び計算方法をサポートする機能リスク分析、比較分析と仮定条件等
8.バリューチェーンまたはサプライチェーンの分析、およびコストセービング、マーケットプレミアム等の地域の特殊な利点に対する考慮
9.市場状況の説明、業界の発展動向と競争環境等を含む。
10.ユニラテラルAPAが適用される期間の年間経営規模、経営利益予測及び経営計画等
11.ユニラテラルAPAに影響がある国内、国外の業界に関連する法律、法規。
12.本公告第三条に適合する関連状況
13.その他説明が必要な状況
(二)次のいずれか一つに該当する場合、税務機関は企業からの申請を却下することができる。
1.ユニラテラルAPAの適用期間において従前の年度に比べ、関連企業取引、経営環境及び機能リスクに実質的な変化が発生している。
2.税務機関がすでに企業に対して特別納税調整の調査立案またはその他の税金関連案件の調査を実施しており、まだ結了していない。
3.関連規定に従って年度関連業務往来報告書を記入していない場合、または記入した年度関連業務往来報告書に誤りがあった場合。
4.関連規定に従って同期資料を準備及び保存していない。
5.本公告の要求に従って関連資料を提供していない、或いは提供した資料が税務機関の要求に適合しておらず、適時に補正または訂正していない。
(三)税務機関は企業の申請を受けた後、分析評価を行い、機能とリスクの実地聴取を行い、90日以内に企業に「税務事項通知書」を送付し、その申請を受理するかどうかを通知し、受理しない場合は、その理由を説明しなければならない。
五、税務機関は企業の申請を受理した後、企業とその関連取引が独立企業間原則に合致しているかどうかを協議し、企業に対して申請を受理した「税務事項通知書」を送付した後、6ヶ月以内に協議を終えなければならない。協議期間中、税務機関は企業に対して関連資料の補完提出を要求することができ、企業が資料の補完提出に要する時間は上記の6ヶ月以内に算入しない。
(一)税務機関と企業が協議して合意した場合、ユニラテラルAPAの文書を立案しなければならない。双方の法定代表者または法定代表者が授権した代表が、ユニラテラルAPAに署名する。
(二)税務機関は企業と協議し合意できない場合、簡易手続を終了する「税務事項通知書」を企業に送付しなければならない。企業は64号公告の規定に基づいて、ユニラテラルAPAを再申請することができる。
六、税務機関は64号の公告の要求に従い、ユニラテラルAPAのモニタリングと執行業務を行わなければならない。
ユニラテラルAPAの執行期間中に、企業にユニラテラルAPAの実質的な変化に影響を与えることが発生し、執行を中止するに至った場合、64号公告の規定に従い、ユニラテラルAPAを再申請することができる。
七、ユニラテラルAPAは主管税務機関が企業に対してその申請を受理する「税務事項通知書」を送付する日の属する納税年度より三から五か年の関連取引に適用する。
八、同時に二つ或いは二つ以上の省、自治区、直轄市及び計画単列市の税務機関のユニラテラルAPAには、簡易手続はしばらく適用されない。
九、本公告に具体的に規定されていないその他のユニラテラルAPA事項は、64号公告の規定に従って執行する。
十、本公告は2021年月日から施行する。
国家税務総局
「国家税務総局のユニラテラルAPA適用簡易手続に関する公告(意見募集稿)」についての説明
「放管服」改革を深化させるために、経営環境を最適化し、税務局と企業の協力を促進し、クロスボーダー経営企業の課税の確実性を向上させ、適切に納税者、納付者のために事実に基づいて、国家税務総局は「国家税務総局のユニラテラルAPA簡易手続関連事項に関する公告(意見募集稿)」(以下「公告」という)を起草した。以下に説明する。
一、「公告」の起草背景
事前確認は納税者がクロスボーダー経営において移転価格の課税の確実性を獲得する主要な政策的手法として、わが国の20年以上の実践の中で、多国籍企業の移転価格のコンプライアンスコストを効果的に引き下げ、クロスボーダー投資経営を促進した。一方ユニラテラルAPAの交渉の効率をさらに向上させるために、企業が移転価格の課税の確実性を獲得し、中国での継続的な経営を支援するために、税務総局はユニラテラルAPAに適用可能な簡易手続の実現可能性を深く研究し、深セン、広東で試行を展開し、より良い成果を収めた上で、本「公告」を立案した。
二、『公告』の主な内容
(一)「公告」の第一条は、「国家税務総局の事前確認管理の充実に関する事項に関する公告」(2016年第64号、以下64号公告)との関係を明確にしており、「公告」は64号公告に基づいて補完すると同時に、64号公告と本「公告」の要求に合致する企業が、その申請するユニラテラルAPAに対して簡易手続が適用できると説明している。
(二)「公告」第二条には、簡易手続は、申請評価、協議署名及びモニタリング執行の三段階を含むことを規定している。事前確認の一般的な手続に比較して、予備会談の段階を免除した。また、交渉の意向、分析評価及び正式申請の三段階を一つの段階に圧縮し、ユニラテラルAPAの申請効率を大幅に向上させた。
(三)「公告」第三条では、企業が簡易手続の適用を申請する場合、同時に二つの側面での要求を満たすべきであることを明確にした。第一には企業の関連取引規模であり、「公告」は64号公告の規定を引き継いでおり、企業は事前確認の適用期間前の納税年度三カ年に、毎年発生する関連取引金額は4000万元以上であることが要求される。第二に、企業の税務コンプライアンスが、企業関連取引、経営環境と機能リスク等の方面についての税務機関の把握状況に従っていることである。関連規定に基づいて準備し、簡易手続の適用を申請する前に税務機関に同期資料を提供している。かつて事前確認を比較的良好に執行している。税務機関の特別納税調査調整を受けたことがありかつ結了している。これら三種類の企業は簡易手続が適用できる。
(四)「公告」第四条は、申請評価段階の関連規定には、企業が簡易手続の適用を申請する際に提出すべき申請報告の内容、税務機関は企業の申請の状態によっては却下することができること、企業に送付する「税務事項通知書」の時間等が含まれていることを明確にしている。事前確認の一般的な手続と比較して、「公告」は税務機関の分析評価期間を90日以内に制限している。税務機関はこの期間において、主に企業がユニラテラルAPAの適用期間と税務機関が把握している状況が実質的に変化していないかどうかを評価する。実質的な変化が発生していない場合は、企業の申請を受けることができ、実質的な変化があれば、理由を説明し、受理しない。
(五)「公告」の第五条は、主に協議に対して署名する段階である。事前確認の一般手続と比較して、本「公告」は税務機関が企業の意向申請を受理した後、6ヶ月以内に企業の関連取引が独立企業間原則に合致しているかどうかを分析し、企業と協議して合意するものとする。6ヶ月以内に税務局企業双方が合意できない場合は、簡易手続を終了する。
(六)「公告」第六条は主にモニタリング執行段階に対するものである。事前協議の一般手続と比較して大きな変化はなく、ユニラテラルAPAの執行期間に対する限り、企業はユニラテラルAPAの実質的な変化に影響を与えることが発生し、執行を終了する状態に至った場合、企業がユニラテラルAPAを再申請することができることを明確にしている。但し、すでに実質的な変化が発生している場合、簡易手続は適用されない。
(七)「公告」第七条はユニラテラルAPAの適用年度を規定しており、主管税務機関が企業に送付したその申請を受理する「税務事項通知書」の日が属する納税年度より三から五か年度としている。事前確認の一般手続で規定されている主管税務機関より企業に送付され受理されるその交渉意向についての「税務事項通知書」の日の属する納税年度より三から五か年度に比べて、簡易手続は交渉意向、分析評価及び正式申請の三段階を申請評価の段階に統合しているため、両者は実質的に一致を保持している。
(八)「公告」第八条の規定によれば、同時に二つ或いは二つ以上の省、自治区、直轄市及び計画単列市税務機関がユニラテラルAPAに関連する場合、しばらく簡易手続は適用されない。このように規定された目的は主にユニラテラルAPA簡易手続が現在試行段階であることを考慮している。今後は試行の状況を見て適用範囲を徐々に拡大する。
(九)「公告」第九条は、具体的に規定されていないその他のユニラテラルAPA事項を明確にし、64号公告の規定に従って実行することを明確にした。主に簡易手続は手続上の簡略化のみに及ぶことを考慮し、実質的な内容に関する部分については、本公告で重複規定を行わない。
三、『公告』に関する問題の回答
(一)「公告」と64号公告はどのように関連するか?
64号公告は事前確認の管理に関する一般的規定であり、「公告」は一定の条件に合致する企業に対してユニラテラルAPAを申請する適用手続上の特殊規定である。「公告」はユニラテラルAPAの適用手続を適切に簡略化し、具体的な時間的要求のみを定めたが、64号公告の事前確認に関する一般的内容の規定は変更されていない。例えば、企業が申請する事前確認の適用条件、遡及期間、申請資料に含まれるべき情報、事前確認文書の内容等は基本的に全て64号公告の規定に沿って用いられている。「公告」では具体的に規定していない事項は64号公告の規定により執行される。同時に、簡易手続で合意したユニラテラルAPAについては、税務機関内部審査手続も事前確認の一般手続と一致している。簡易手続と一般手続の両方が同時に存在しており、条件に適合する企業は自社の状況によって選択できる。合意したユニラテラルAPAの法律的効力は同じである。
(二)「公告」はユニラテラルAPAの手続の何を簡略化したか?
「公告」はユニラテラルAPAの手続を評価申請、協議署名及びモニタリング執行の三段階に簡略化した。具体的には、まず、企業の移転価格税制のコンプライアンス遵守度が高い、或いは税務機関が企業関連取引、経営環境と機能リスク状況を比較的理解している場合、「公告」は予備会談の段階を免除した。
次に、「公告」はユニラテラルAPA手続の中の交渉意向、分析評価及び正式申請の三段階を一つの申請評価段階に統合している。企業が税務機関に申請した場合、税務機関は90日以内に分析評価と機能リスク聴取を展開し、企業に「税務事項通知書」を送付しなければならない。企業の申請を受理すれば、企業の正式な申請を受理したことになる。受理しない場合は、受理しない理由を告知しなければならない。
また、《公告》は協議締結段階に対しても具体的な時間的要求を提示した。税務機関は企業に対し申請を受理した「税務事項通知書」を送付し6ヶ月以内に企業と協議を終えなければならない。(すなわち、ユニラテラルAPAの文書内容の合意が達成されなければならない)合意が達成されなければ、簡易手続は終了する。
最後に、モニタリング管理段階では、一般のユニラテラルAPAの手続きと基本的に同じである。
(三)どのような種類の企業が簡易手続の適用を申請できるか?
「公告」は一定の条件を満たす企業に対してのみ、ユニラテラルAPAの手続適用上の特殊な処理の申請に関するものであるので、64号公告の事前確認に関する一般的な内容の規定は変更されていない。そのため、企業はまず64号公告の年度関連取引規模の要求を満たすべきであり、即ち事前確認が適用される期間前の納税年度三カ年に発生する関連取引金額が4000万人民元以上であり、これを基礎として、下記のうち一つの条件に適合する必要である。
1. 簡易手続の適用を申請する少なくとも3ヶ月前に、税務機関に「国家税務総局の関連申告と同期資料管理に関する事項に関する公告」(2016年第42号)に規定された直近の納税年度三カ年の同期資料のローカルファイル(マスターファイルを準備すべき条件に合致する場合、マスターファイルも提供すべきである)を提供している。
2. 直近の納税年度10カ年以内に事前確認を実行しており、実行結果が設定要求に適合している。
3. 直近の納税年度10カ年以内に税務機関の特別納税調査を受けて調整し、かつ結審している。
以上の条件を設定することにより、簡易手続は主に関連取引が一定規模に達し、かつコンプライアンス遵守度が高い企業に適用される。従って、主に企業の移転価格管理、サービス、調査の三段階におけるコンプライアンス行為は、税務機関が企業関連取引、経営環境及び機能リスクに対する理解度を高める。このように税務機関企業の双方が簡易手続の要求に従って、事前確認の手配を迅速に進めるだけでなく、企業が自主的にコンプライアンスを遵守することを奨励している。特に管理段階では、企業が簡易手続の適用を申請する少なくとも3ヶ月前に、税務機関に42号公告の規定に合致する三カ年の納税年度同期資料のローカルファイルを提供すれば、簡易手続の適用を申請することができる。ここで二つの点で説明が必要である。一つは事前確認の手配は企業の将来三から五か年間の関連取引に対し課税の確実性を与える。税務機関は企業の最近の納税年度の経営状況に基づいて、企業の将来年度を予測する。そのため、「公告」では企業に最近三カ年の納税年度の同期資料提供を要求する。二つ目に、42号公告の規定に適合しており、客観的な判定基準を設定し、税務機関の自由裁量権を最大限に減少させる一方、企業が提出した同期資料が42号公告の要求に符合すれば、簡易手続が適用される。一方で、42号公告の要求に照らして、同期資料の品質を高める。この他、同時に二つ或いは二つ以上の省、自治区、直轄市及び計画単列市の税務機関のユニラテラルAPAには、簡易手続はしばらく適用されない。
(四)簡易手続を適用するユニラテラルAPAの適用年度はどのように確定するか?
簡易手続において、事前確認一般手続の中の交渉意向、分析評価及び正式申請の三段階を一つの申請評価段階に統合するため、「公告」は簡易手続に適用するユニラテラルAPAを適用する年度を明確に規定しています。適用年度は、主管税務機関は企業に送付するその申請を受理した「税務事項通知書」の日が属する納税年度より三から五か年の年度までである。
(五)企業のユニラテラルAPAの執行期間に実質的な変化が発生して執行を中止した場合、ユニラテラルAPAの再申請をしても良いか?
企業に関連取引、経営環境及び機能リスクの実質的な変化が発生し、ユニラテラルAPAの執行が終了に至った場合、64号公告の規定に従い、ユニラテラルAPAの再申請をすることができる。但し、説明が必要な場合は、簡易手続プログラムの終了または執行終了に対しては、再申請時に、簡易手続は適用されない。
(中国語原文)
http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810356/n810961/c5162455/content.html