200624_2020年自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置(日本語試訳)

この日本語試訳は中国語文献理解の補助とするために無償で公開しているものです。厳密な解釈・理解は、必ず中国語原文を確認願います。

自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置
(ネガティブリスト)(20
20 年版)

(中国語原文)自由贸易试验区外商投资准入特别管理措施(负面清单)(2020 年版)

説明

一、『自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)』(以下『自由貿易試験区ネガティブリスト』と略称)は、自由貿易試験区に適用し、持分に係る要求、高級管理職に係る要件などの外商投資参入分野における特別管理装置を統一的にリストアップしたものである。『自由貿易試験区ネガティブリスト』以外の領域について、内資外資一致の原則に基づき管理を実施する。

二、『自由貿易試験区ネガティブリスト』は、一部領域について、参入制限の取消あるいは緩和の過度期を設けており、過度期が満了した後、期日通りにその参入制限を取り消し、もしくは緩和する。

三、国外投資者は、個人商工業者、個人独資投資者、農民専業合作社メンバーとして、投資経営活動に従事してはらない。

四、関連主管部門は法律により職責を履行する過程において、国外投資者が『自由貿易試験区ネガティブリスト』の領域に投資しようとする場合、『自由貿易試験区ネガティブリスト』の規定を満たさない時に、許可、企業登記登録などを処理してはならないし、また、固定資産に係る投資プロジェクトの承認許可につき、承認許可を処理してはならない。持分要件のある領域に投資する場合、外商投資パートナー企業を設立してはならない。

五、国務院の関連主管部門が審査し国務院に報告し承認を受けた後、特定の外商投資は『自由貿易試験区ネガティブリスト』の関連領域の規定を適用しないことができる。

六、国内の会社、企業あるいは個人が、国外で合法的に設立した会社、あるいは支配する会社により、それと関連者関係を有する国内の会社を合併する場合の処理は、外商投資、国外投資、為替管理などの関連規定に従う。

七、『自由貿易試験区ネガティブリスト』に記載されていない文化、金融などの領域及び行政審査承認、資格要件、国家安全などの関連措置は、現行の規定に基づき実施する。

八、『内地と香港における経済貿易関係のより緊密化の協定』及びその後の後続協議、『内地とマカオにおける経済貿易関係のより緊密化の協定』及びその後の後続協議、『海峡両岸の経済協力枠組み協議』及びその後の後続協議、中国が関連国家と締結した自由貿易区協議及び投資協定、中国が加盟している国際条約、協定は、国外投資者の参入待遇に対するより優遇の規定があれば、関連規定に従い実施できる。

九、『自由貿易試験区ネガティブリスト』は国家発展改革委員会、商務部が関連部門と共に解釈の責任を負う。

自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置
(ネガティブリスト)(2020 年版)

番号

特別管理措置

一、農業、林業、畜産業、漁業
1 小麦、トウモロコシの新品種の選別栽培及び種の生産においては、中国側の持株比率が34%を下回ってはならない。
 

2

中国の希少及び特有の貴重な優れた品種の研究開発、養殖、栽培及び関連の養殖材料の生産(栽培業、畜産業、水産業の優良遺伝子を含む)への投資を禁じる。
3 農作物、家畜家禽の品種、水産苗種の遺伝子組み換え品種の選別育成及び遺伝子組み換えの種(苗)の生産への投資を禁じる。
二、鉱物採掘業
 

4

レアアース、放射性鉱物、タングステンの地質調査、採掘、選別への投資を禁じる。(許可なしに、レアアース鉱区への立ち入り、あるいは鉱山の地質資料、鉱石サンプル及び生産プロセス技術の取得を禁じる)
三、製造業
 

5

専用車、新エネルギー自動車を除き、自動車完成車の製造は、中国側の持株比率が50%を下回ってはならない。同一の外国企業は、国内で2社以下(2社を含む)の同類の完成車製品を生産する合弁企業を設立することができる。(2022年には、乗用車製造企業の外資持株比率の制限、ならびに同一の外国企業による国内で2社以下(2社を含む)同類の完成車製品を生産する合弁会社の制限を取り消す)
6 衛星テレビラジオの地上受信施設及び重要部品の生産。
四、電力、熱力、ガス及び水の生産及び提供業
7  原子力発電所の建設と経営につき、中国側が持株支配する必要がある。
五、卸売及び小売業
8 たばこ葉、巻たばこ、再乾燥たばこ葉及びほかのたばこ製品の卸売小売への投資を禁じる。
六、交通輸送、倉庫及び郵政業
 

 

9

国内水上輸送企業は、中国側が持株支配する必要がある。(かつ、中国籍船舶または船室の経営しもしくはリースを通じて、形を変えて国内の水路運送業務及び補助業務を経営してはならない。水路運送の経営者は、外国籍船舶を使用して国内の水路運送業務を経営してはならないが、中国政府の許可を得て、国内で申請された輸送要求を満たすことができる中国籍船舶がなく、かつ船舶が停泊する港または水域は、対外開放である港または水域である場合、水路運送事業者は中国政府が定めた期限または船便のうち、外国籍船舶を臨時に使用し、中国港間の海上運送及び曳航を行うことができる。)
 

10

公共航空輸送企業は、中国側が持株支配する必要があり、かつ単一の外国企業及びその関連企業の投資比率は25%を超えてはならず、法定代表者には中国籍の者が就く必要がある。汎用航空企業の法定代表者には中国籍の者が就く必要があり、そのうち、農業、林業、漁業の汎用航空企業が合弁に限り、ほかの汎用航空企業につき、中国側が持株支配する必要がある。(中国の公共航空輸送企業のみが、国内航空サービスを運営できる。そして、中国の指定運送人として定期的かつ不定期の国際航空サービスを提供する。)
11 民間空港の建設、経営は、中国側が相対的に持株支配する必要がある。外国側による空港管制塔の建設、運営を禁じる。
12 郵政会社(及び郵政サービスの経営)、郵便物の国内速達業務への投資を禁じる。
七、情報伝達、ソフトウェア及び情報技術サービス業
 

 

13

電信会社は、中国がWTO加盟に伴い開放を承諾した電信業務に限る。増値電信業務(電子ビジネス、国内多方通信、保存伝送類、コールセンターを除く)の外資比率は50%を超えてはならず、基礎電信業務につき中国側が持株支配する必要がある。上海自由貿易試験区の元地区(28.8平方キロメートル)の試行政策は、すべての自由貿易試験区に広がって執行される。
 

14

インターネットニュースサービス、ネット出版サービス、ネット視聴番組サービス、ネット文化経営(音楽を除く)、インターネットによる大衆への情報公表サービスへの投資を禁じる。(上述したサービスのうち、中国がWTO加盟に伴い開放を承諾した内容を除く)。
八、リース及びビジネスサービス業
 

 

15

中国の法律事務(中国の法律環境影響に関する情報の提供を除く)への投資を禁じ、国内弁護士事務所のパートナーとなることはできない。(外国の弁護士事務所は代表機構の形のみで中国に入ることができ、かつ中国の公認弁護士を採用してはいけない。雇用している補助スタッフは、当事者に法律サービスを提供してはいけない。中国に代表機構の設立し、駐在代表の派遣につき、中国司法行政部門の許可を得う必要がある)
16 市場調査は合弁に限り、そのうち、ラジオテレビの視聴調査につき、中国側が持株支配する必要がある。
17 社会調査への投資を禁じる。
九、科学研究及び技術サービス業
18 人体幹細胞、遺伝子の診断と治療技術の開発、応用への投資を禁じる。
19 人文社会科学研究機構への投資を禁じる。
 

 

20

大地測量、海洋測量、測量航空撮影、地面移動の測量、行政区域境界の測量、地形図、世界行政区地図、全国行政区地図、省級及びそれ以下の行政区地図、全国教学地図、地方教学地図、リアル3D地図及びナビゲーション電子地図の作成、地域性の地質地図、鉱産地質、地球物理、地球化学、水文地質、環境地質、地質災害、遠隔測定地質などの調査(鉱産物所有者はその砿業権範囲での業務展開がこの特別管理措置の制限を受けない)への投資を禁じる。
十、教育
 

 

 

21

幼児教育、普通高校中学校及び高等教育機構は中外合作運営に限り、かつ、中国側が主導する必要がある(校長あるいは主な行政責任者が中国籍(かつ中国国内での定住者)を有している必要がある。理事会、董事会あるいは連合管理委員会で中国側の構成メンバーが1/2を下回ってはならない)。(外国教育機構、その他の組織または個人は、中国国民を主な学生募集対象とする学校及びその他の教育機構(非学籍類の職業研修機構、学籍類の教育機構を含まない)を単独で設立してはならないが、外国教育機構が中国の教育機構と協力し、中国国民を主な学生募集対象とする教育機構を開催することができる)
22 義務教育機構、宗教教育機構への投資を禁じる。
十一、衛生及び社会活動
23 医療機構は合弁に限る。
十二、文化、スポーツ及び娯楽業
 

 

24

ニュース機構への投資を禁じる(通信社を含むが、この限りではない)。(外国新聞機構が中国国内に常駐報道機関を設立し、中国に駐在記者を派遣する場合、中国政府の許可を得る必要がある。外国通信社が中国国内でニュースを提供するサービス業務は、中国政府の審査承認を受ける。中外新聞機構の業務提携は、中国側が主導し、中国政府の承認を受ける必要がある)
 

 

25

図書、新聞、刊行物、音声映像製品及び電子出版物の編集、出版、制作業務への投資を禁じる。(しかしながら、中国政府の承認を得れば、中国側の経営主導権と内容の最終審査権を確保し、かつ中国政府が同意した他の条件で、中外出版機構はニュースの中外合作出版プロジェクトを行うことができる。中国政府の許可なしに、中国国内での金融情報サービスの提供を禁じる)
 

 

26

各級のラジオ局(ステーション)、テレビ局(ステーション)、ラジオテレビの周波数チャンネル(波)、ラジオテレビ伝送ネットワーク(発射局、中継局、ラジオテレビ衛星、衛生上行ステーション、衛星受信中継ステーション、微波ステーション、モニタリングステーション及びケーブルラジオテレビ伝送ネットワークなど)への投資を禁じ、ラジオテレビのチャンネルオンデマンド業務や衛星テレビラジオの地上受信施設の据付サービスに従事することを禁じる。(海外衛星チャンネルの地上受信に対する審査承認制度を実施する)
 

27

ラジオテレビ番組の制作経営(買付輸入業務)への投資を禁じる。(海外のテレビドラマの導入や衛星伝送の形で他の海外のテレビ番組を導入する場合、広電総局が指定した機構が申告する。中外合作ドラマ(テレビアニメを含む)につき制作許可制を実施する)
 

28

映画制作会社、発行会社、放映会社及び映画の買付輸入業務への投資を禁じる。(しかしながら、承認を得れば中国と国外の企業が協力し映画を制作することができる)
 

 

29

文化財をオークションする競売会社、文化財販売店、国有文化財博物館への投資を禁じる。(移動不可の文化財及び国家が外国への持ち出しを禁止している文化財を、外国人への譲渡、抵当、賃貸を禁じる。非物質文化遺産調査機構の設立と経営を禁じる。国外の組織または個人は、中国国内で非物質文化遺産の調査、考古学調査、探査、発掘を行うを禁じる。中国と協力する形を取り、特別な審査承認を受けるべきである)
30 文芸パフォーマンス団体への投資を禁じる。

(中国語原文)自由贸易试验区外商投资准入特别管理措施(负面清单)(2020 年版)